【スタッフ・ブログ】国際NGO ワールド・ビジョン・ジャパン

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忘れられないクリスマスプレゼント

「これまでにもらったクリスマスプレゼントで、イチバン心に残る、忘れられないプレゼントってなんですか?」
と聞かれたら、みなさん、何が思い浮かびますか?

今日は、ワールド・ビジョン・ジャパンの某課長(女性)のお話です。

某課長・・・仮に「総子」さん、ということにしましょう・・・総子さんは、まだ4歳のときにお母様が亡くなり、お祖母様のところで暮らしていたそうです。そして幼稚園に通うのに、毎日、ひとりで市営バスにのって通園していたのだそうです。

お家からバス停まではおば様が送ってくださったそうですが、バスにはひとりで乗車。幼稚園最寄のバス停で降りると、そこには別のおば様が待っていて、幼稚園まで連れて行ってくださったそうです。

総子さんのこのハガネのような強さと独立心は、こんな幼少の間に培われていたのか・・・ワールド・ビジョン・ジャパンを牽引する彼女の底力を見たような気がしました・・・

という感想はさておき。

そんなストロングな総子さんですが、その頃は4歳のかわいい女の子。当然人目をひいたのでしょう。同じ時間帯の通勤・通学路線バスですから、次第に乗客の方々と顔見知りになったそうです。

そして、12月のある日。

乗客のひとりである若いお姉さんから、小さな子ども用の手編みのセーターが届いたのだそうです。
お姉さんにどうして総子さんの自宅がわかったのか、当時の総子さんには知る由もなかったようですが、小さい街の路線バスでの毎朝の出来事。おのずとどこに住む女の子なのか、知れていたのでしょう。
ある日幼稚園から帰ると、お家に、きれいに包んだセーターが届いていたそうです。

嬉しかった総子ちゃんは、お姉さんにどうしてもすぐ「ありがとう」と言いたくて、家を飛び出し、あたりを探し回ったそうです。
「おねーさーん!」と大声で呼びながら。

「あの時の私には、自分のことを考えてくれてる人がいるんだ、ということが、ほんとうに嬉しかった」と、当時をふりかえって総子さんは言います。

そのときの総子さんには、いつもの切れ者の鋭い目線はなく、小さな女の子のキラキラしたくりくりの目と、はにかむような、遠くをいつくしむような笑顔がありました。

小さいときに、「ジブンは誰かに大切にされている」と実感できる経験は、かけがえのない宝物ですよね。

あと数日で2010年のクリスマスです。
今年も、世界の子どもたちのひとりでも多くが、自分は大切な存在なんだ、生きていること自体が大事で意味があるんだ、ということが実感できる、そんなクリスマスであってほしいと、切に思います。

この記事を書いた人

木内 真理子WVJ理事・事務局長
青山学院大学を卒業後、国際協力銀行(JBIC)前身のOECFに入社。途中英国LSE(社会政策学)、オックスフォード大(開発経済学)での修士号取得をはさみ、アフリカ、インドネシア、フィリピンにおいて円借款業務を担当。母になったことを契機に転職。東京大学にて気候変動、環境、貧困など21世紀の課題に対応するSustainability Scienceの研究教育拠点形成に従事。「現場に戻ろう」をキーワードに08年10月よりWVJに勤務。アフリカ、中南米、ウズベキスタンを担当。2011年5月より、東日本緊急復興支援部長。2013年4月より副事務局長。2017年4月より事務局長。2020年4月より現職。青山学院大学非常勤講師、JICA 事業評価外部有識者委員、JANIC理事、日本NPOセンター副代表理事
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