現在調整しているプロジェクトは、ジャパン・プラットフォームや日本のご支援者の支援を受けて、リベリアの近隣のシエラレオネ(西隣)、ギニア(北隣)、コートジボワール(東隣)や国内に避難している避難民の故郷への帰還を支援するため、グランド・ケープ・マウント州でコミュニティのインフラの修復・建設(井戸・トイレ、学校、雨季には通行が極めて困難となる支線道路や丸太橋の補修)を行っています。
コミュニティのニーズに基づいて、修復・建設するインフラの場所を設定し、コミュニティが中心となって事業を進めています。村の人たちが道路脇の草刈り、詰まっている排水溝の掃除、道の穴を埋めたりする一方で、手作業で出来ない箇所をキャタピラーなどの重機で作業をしました。現在は、最近の大雨で足場の悪くなった箇所をマッド・ブリッジと呼ばれる木の枝を道に敷く作業を行なっています。
井戸や家族用トイレの支援の対象となった村では、村の人たちが井戸を掘り、井戸に入れるコンクリート製リング(暗渠=culvert)やトイレの足踏み台(slab)を事業スタッフが村の人たちに教えながら作りました。今では、井戸建設の終盤に入っています。井戸建設前までは、集落付近の小川や川より飲料水を汲んでいたため、建設したポンプから水が出た時の住民の感動はすごいもので、伝統的な楽器を取り出して踊り出すほどでした。
今のプロジェクトは、昨年3月末より始めた第1期プロジェクト(キャッサバの種子・種もみ、農具を配布した食糧復興事業)から数えて第3期となります。プロジェクトの始めから関わっているコミュニティのボランティア(Community Welfare Team)がプロジェクトの進捗モニタリング、レポート、保健衛生の知識、井戸の最終段階の穴掘り、トイレの足踏み台の技術などを身に付け、今のプロジェクトには欠かせない重鎮になってます。プロジェクトをとおして、こういった自発性のある前向きな人材がもっと育ち、リベリア復興のリーダーになることを祈っています。
この記事を書いた人
- 大学でスワヒリ語(東アフリカの言語)・アフリカ地域学を学んだ後、在ケニア日本大使館において在外公館派遣員として勤務。そこで、ストリートチルドレンへのボランティアを経験したことから、困難な状況にある子どもたちへの支援がライフワークに。留学、タンザニアでの協力隊を経て、2003年2月よりワールド・ビジョン・ジャパンに勤務。リベリア、スーダン、南スーダン駐在を経て、2010年5月より東京事務所勤務。現在、緊急人道支援課長。関西に住む3人のかわいい甥っ子・姪っ子たちの成長が元気の源。
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