ワールド・ビジョン・ジャパンではここ数年、11月からクリスマスまでの期間、特に集中してチャイルド・スポンサーを募集するキャンペーンを実施していますが、今年もいよいよ始まりました。
ワールド・ビジョンは世界中の開発途上国の子どもたちを支援する国際NGOですが、その目指すものは子どもたちの健やかな成長(英語でWell-being)です。
そこで、チャイルド・スポンサーシップを通じて達成しようと目指している、子どもの健やかな成長とは具体的にどういうものなのか、それをどのように達成しようとして活動を行っているのかを、これから何回かに分けてご紹介したいと思います。
最初に、ワールド・ビジョンが目指している子どもの健やかな成長というものは、何なのか?ということについて説明してみたいと思います。
私たちが支援活動の計画や内容を検討をする際に、大きな目標(ゴール)として、常にあげられるのが次の文章です。
Sustained well-being of children within their families and communities, especially the most vulnerable.
これは、「家族やコミュニティ(地域社会)の中の子どもたち、特に最も脆弱な子どもたちの持続される健やかな成長」と訳せると思います。
もちろん、ワールド・ビジョンでは世界中の全ての子どもたち、そして、各支援事業においては、支援対象地域の中の全ての子どもたちの健やかな成長を願っていることは言うまでもありません。
その中でも、最も脆弱な子どもたち、すなわち、家族や地域の貧困、社会的な不安定さや不平等などによって、教育の機会も与えられず、健康的に育つこともままならない子どもたちの健やかな成長が達成されるように、その家族やコミュニティの中で様々な支援活動を行っています。
ここで、大切な言葉は、Sustained(持続される)という言葉です。ワールド・ビジョンが支援活動を続けている間だけ、その支援対象地域の子どもたちの健やかな成長が守られることが、ワールド・ビジョンが目指すゴールではありません。
これが持続されること、すなわち、ワールド・ビジョンの活動が終了した後でも、支援期間中に作り上げられた子どもが健やかに育つように、地域社会の様々な仕組みや環境などが、それ以降も継続されるようになること、それがワールド・ビジョンが目指すゴールです。
そのためにも、ワールド・ビジョンの活動は、子どもたちの家族や子どもたちが住むコミュニティを対象にした支援活動が重要になってくるのです。
今、支援地域にいる子どもたちだけでなく、これから生まれてくる子どもたちの健やかな成長も確かにしたい、ワールド・ビジョン・ジャパンはそのような願いを持って、チャイルド・スポンサーシップによる支援活動を行っています。
この記事を書いた人
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1983年大阪府立大学農学部農芸化学科卒業後、総合化学メーカーの日産化学工業株式会社の農薬部門で6年間勤務。同社を退職後、1989年11月より3年1カ月間、国際協力事業団(JICA)青年海外協力隊員としてバングラデシュへ派遣され稲作を中心とした農業・農村開発の活動を行う。その後、青年海外協力隊調整員として3年6カ月ネパールに滞在、次いで青年海外協力隊シニア隊員として再度バングラデシュに派遣されモデル農村開発プロジェクト・協力隊グループ派遣のリーダーとして2年3カ月間、農村開発の業務に携わる。
2000年9月より米国フラー神学大学院世界宣教学部(Fuller Theological Seminary, School of World Mission)へ留学、異文化研究学修士(MA in Intercultural Studies)を取得。ワールド・ビジョン・インディアのタミールナドゥ州パラニ地域開発プログラム(Palani Area Development Program) での4カ月間のインターンシップをはさんで、2003年9月より英国サセックス大学大学院に留学、農村開発学修士号を取得する。
2004年12月国際協力機構(JICA)アフガニスタン事務所企画調査員として8カ月間カブール市に滞在。2005年9月よりワールド・ビジョン・ジャパンに入団し、支援事業部 部長として勤務。
2021年3月退団。
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