【スタッフ・ブログ】国際NGO ワールド・ビジョン・ジャパン

Read Article

南スーダン難民キャンプに学校ができました!!

エチオピア南スーダン難民キャンプで教育支援事業を担当している大井です。
先月、事業担当者として、とてもうれしいことがありました。

建設に半年近くかかりましたが、ついに、難民キャンプで新しい学校(初の中等学校)を開校することができました!(ぱちぱちぱち!)開校式での生徒たちのうれしそうな顔をぜひご覧ください!

完成した校舎を背に勉強できることを喜んでいる生徒たち

完成した校舎を背に、勉強できることを喜んでいる生徒たち

私たちが活動しているジョウィ難民キャンプにはこれまで中等学校がなく、1~8年生の初等学校(日本の小学1年生~中学2年生に相当)を卒業した生徒が教育を続けることができませんでした。本事業で中等学校(日本の中学3年生~高校1年生に相当)を開校したことにより、子どもたちがこの先も勉強を続けていくための環境を整備することができました。

当日の開校式の様子や事業の目的などについては こちら (ジョウィ難民キャンプにて中等学校の開校式を行いました) に詳しく記載していますので、今回は、開校式の中で私が最も印象に残ったことをご紹介したいと思います。

******************

「教育はみんなが行きたいところへ導いてくれるチケットです」

これは、開校式の中でワールド・ビジョン・エチオピアの事務局長が生徒に向けて贈った言葉です。

この言葉を聞きながら、生徒や教員たちが「うんうん」とうなずいている様子を見かけました。支援地で日々生徒と接している中で、私もそのように思うことがしばしばあります。

新しくできた学校でうれしそうに勉強をする生徒たち

新しくできた学校でうれしそうに勉強をする生徒たち

先日、生徒たちに「大変なキャンプ生活の中でもうれしいこと、楽しいことは何ですか?」とインタビューをした時のことです。多くの生徒が、「学校に通えることがとてもうれしいです。南スーダンに残っていたら勉強を続けることができませんでした。勉強を続けることができればしっかりとした大人になって、将来の夢に向かっていくことができます」と答えてくれました。

中には、「私は勉強が好きで、勉強を続けるために難民として逃げてきました」と言っていた女子生徒もいたほどです。

今の自分たちが置かれている現状を少しでも打開したい。そういった強い思いがあるからこそ、難民キャンプでの生徒たちの勉強意欲はとても高いです。自分の未来を変えることのできる教育というチケットを強く握りしめているかのようです。

勉強を続けるために難民としてエチオピアまで逃げてきた女子生徒、ニャドルさん(写真右側)

勉強を続けるために難民として逃げてきた女子生徒、ニャドルさん(写真右)

そこで彼らが握り締めている将来の夢はいったい何なのだろうと思い、生徒たちに聞いてみたところ、

「勉強をしっかり続けて、将来は国の平和ために働ける人になりたい」
「将来は医者になって、傷ついた人たちを助けられる人になりたい」
「ワールド・ビジョンで働いて、子どもに教育の機会を与えられる人になりたい」

…など、人のために働きたい、少しでもいい世界を作りたい、と思っている子どもたちが圧倒的に多いことがわかりました。これは、生徒と接している中で私が最も驚いたことの一つです。

先日のハーバード大学卒業式におけるマーク・ザッカーバーグ (Facebook CEO)のスピーチの中に、このような言葉がありました。「全ての人が人生の目的を追うことができるような自由を与えましょう。それが正しいことだからというだけではなく、より多くの人が彼らの夢を偉大なものへと実現することができれば、それに伴って社会全体がより良くなっていくからです」

放課後に授業中の復習をする生徒の姿

放課後に授業中の復習をする生徒の姿

同じように、もし、将来人のために働きたいという思いを強く持っている人が教育を受けることができず、その夢を実現することができなければ、それはその人だけではなく、その人によって助けられたであろう何百人、何千人の人にとってもその機会を失うことになるのではないかと思います。

教育は自分の将来の夢へ導くためのものだけではなく、人に影響を与えながら世界を少しでもよく良い方向に導いてくれるものだと強く感じました。

子どもたちの夢へとつながる教育というチケット。その機会を提供できることで、その人だけではなく周りの人をもよりよい世界へと導くことができます。これからもさらに多くの人々にその機会を届けられるように活動していきたいと思います。

皆さまもぜひ、この支援の輪に加わってください!

*** つながろう、子どもたちのために ***

この記事を書いた人

大井 光一ウガンダ駐在 プログラム・コーディネーター
早稲田大学法学部卒業。
エルサレム・ヘブライ大学法学修士(国際法・人権)修了。
国際人道法を中心に学ぶ。難民支援機関でのインターンを経て2015年1月に入団。2018年4月からウガンダに駐在し、南スーダン難民支援を担当。2019年3月退団。
Return Top