今、ハイチに来ていると友人に伝えたところ、タヒチにいるのかと聞き返されました。
あまりのイメージのギャップに思わず笑ってしまいましたが、今回の震災が起こるまで、この地に対する私自身の知識・理解も似たようなものだったかもしれません。
2週間前、私がハイチに来たときは、まだ通常の空路運行は回復していなかったため、同じ島を分け合う隣国、ドミニカ共和国を経由するのが一般的なハイチへの経路でした。
ドミニカに到着すると、深い緑色をしたカリブ海を前に街中に流れる音楽、そこここで売られる色鮮やかな絵からは、ラテンの陽気さが充満し、これから自分が緊急支援の現場に向かっていることを忘れるほどでした。
ドミニカからは空路で今回の支援地、ハイチの首都、ポルトープランスに入りました。その景色は低い山並みから村々が顔をのぞかせる、緑まばらな島国といった印象です。空からは被災状況をはっきりと知ることはできませんでした。
これまで自分が経験してきた「現場」とは少し勝手が異なるようにも見える今回の緊急支援の現場。あまりに甚大な被災を前に、自分に何ができるのか、また私自身にどんな生活が待っているのか。把握しきれない現実に、多少の恐怖と不安を覚えつつ、キャンプ用品を一式詰め込んでの出発になりました。
だんと日本のマスメディアからは遠ざかっていくハイチの様子。久々にこのブログを通じて、少しでも状況をお伝えできたらと思います。
この記事を書いた人
- 神奈川県生まれ。早稲田大学・同大学院理工学研究科にて、アジアの建築史について学ぶ。在学中に阪神淡路大震災でボランティアを経験したことから、防災や被災地支援がライフワークに。卒業後は建設コンサルタント会社に勤務。自然災害を中心とした国内外のインフラ事業に従事する。2008年6月、ワールド・ビジョン・ジャパンに入団。サイクロン後のミャンマー、大地震後のハイチで復興支援に取り組む。東日本大震災後は、一関事務所の責任者として岩手県に駐在した。2014年4月から、アフリカのスポンサーシップ事業を担当後、支援事業部 開発事業第2課に所属。2017年1月から2019年12月までネパール駐在。2020年1月退団。2024年4月、ワールド・ビジョン・ジャパンに再入団。ネパール駐在。
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