【スタッフ・ブログ】国際NGO ワールド・ビジョン・ジャパン

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難民との出会い ~その2 ~南スーダン難民

私のもう一つの難民との出会いの場所は、エチオピアの西端にあるガンベラ州の南スーダン難民キャンプであった。

難民キャンプのテント

ガンベラ州には、南スーダンの紛争から逃れてきた難民18万人以上(うち約7割は子ども)が、おもに難民キャンプで生活している。私は、難民の子どもたちがどのような支援を必要としているか調査をするため、難民キャンプを訪れた。

難民キャンプの人口は、1日約1,000人のペースで増え続けている。国連機関や赤十字、国際NGO等は、テントの配布や、食糧・生活物資の配布、井戸やトイレの建設などの支援を実施しているが、増え続ける難民のニーズに対応しきれていない。

教育支援の遅れは特に顕著であり、学校施設の数は非常に限られており教室に子どもが入りきらないため、大半の子どもたちは入学できず「順番待ち」となっている。

水汲みする女の子

水汲みする女の子

このため、子どもたちは、拓かれてない藪など限られたスペースで遊んだり、路上で物を売ったり、家事の手伝いなどをして過ごしている。

実際に、8歳くらいの女の子に、普段は何して過ごしているの?と尋ねると、「水汲み」とぼそっと答えた。友達ができず、慣れない難民キャンプの生活が嫌いだと話した。

紛争を体験した子どもたちの中には、家族や友人を失った子どももおり、難民キャンプで暮らす今も、悪夢を見たり、武装勢力に拉致されるのではないかという恐怖を抱えて生活している。

しかし、子どもたちの笑顔にも驚かされた。キャンプ内を歩いていると、子どもたちは私たちを囲んで手を振って、「元気?」と気さくに話しかけてくれた。手を引っ張って、「遊んで!」とアピールしてくる子どももいた。中には、泥や金属ごみ等を用いておもちゃを作り遊んでいる子どももおり、驚いた。

自作のおもちゃで遊ぶ子どもたち

自作のおもちゃで遊ぶ子どもたち

難民の代表者たちと話をすることもできた。彼らからひしひしと伝わってきたのは、子どもたちの教育の必要性と、教育への大きな期待であった。

「私たちが紛争から避難してから、子どもたちはずっと学校に通えていない」

「子どもたちの未来のために学校に通わせたい」

「水汲みだって家事だって、喜んで私がやるよ。子どもには是非学校に行ってもらいたいわ」

教育によって、様々な危険から身を守る知恵や、平和の大切さを学んでほしい。友達や仲間を作ってほしい。そして、二度と紛争に巻き込まれることなく、平和を築いてほしい。

事業地で出会った子どもたちと筆者

南スーダン難民の子どもたちが直面している状況は非常に厳しい。しかし、教育を通して、子どもたちが未来の平和の「芽」となることを願っている。

*ワールド・ビジョン・ジャパンは、2014年8月より、ジャパン・プラットフォームからの助成金や皆さまの募金によって、エチオピアのガンベラ州南スーダン難民キャンプにて、緊急時における教育支援、子どもの保護のための支援を実施しています。

※南スーダンの子どもたちに未来を届ける、「南スーダン緊急支援募金」にご協力ください。

この記事を書いた人

村松良介
村松良介支援事業部 緊急人道支援課 プログラム・オフィサー
【経歴】
2010年、北海道大学法学部卒業。
2012年1月、英国のエセックス大学大学院(人権理論実践学)修了。在学中は札幌のNPO法人やガーナ、バングラデシュの人権関連NGOにてボランティア、インターンを経験。
2012年1月ワールド・ビジョン・ジャパン入団。支援事業部緊急人道支援課 プログラム・オフィサー。2014年8月より10カ月間、南スーダン難民支援事業担当駐在員としてエチオピア駐在。

【趣味】
音楽鑑賞、歌うこと、卓球

【好きな言葉】
ある舟は東に進み、またほかの舟は同じ風で西に進む。ゆくべき道を決めるのは疾風ではなく帆のかけ方である(『運命の風』E.W.ウィルコックス)
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