私たち海外事業部のスタッフは、担当国の支援事業の計画立案、モニタリング、評価や、様々な調整業務のために海外出張をすることが多くあります。その出張先は、通常の観光旅行で行くような国や場所ではないため、日本からの直行便がない場合も多く、また、なるべく安いルートを探して航空券を予約するために、時には3つ以上の便を乗り継ぐことも珍しくありません。その際に利用する航空便も、いわゆる大手の航空会社ではなく(日本からは値段が高いために日本の航空会社を使用することはほとんどないし、乗り継いだ先からは目的地の国の航空会社となる場合が多い)、ちまたに噂される「乗ってはいけない航空会社ランキング」の低い会社に乗らざるを得ない場合もある。
尋常でない出発時間の遅れや欠航などもあって、予定外の対応を迫られることもしばしばである。また、誰でもそうであるが、エコノミークラスでの長時間の航行は、たいへん疲れるものである。特に、3年前にふくらはぎに重症の肉離れを経験している私は、足のむくみが起きやすいために、長時間の航行中には、いわゆるエコノミークラス症候群の予防のため、頻繁に水分を取ることと、それにともなう数多いお手洗い行きのために、通路側の座席を確保することは、たいへん重要である。
そのような空の旅の中での私の楽しみの一つは、各国の航空会社の食事である。もちろん、エコノミークラスなので、平凡な食事も多いですが、訪問国などの各国が運営する航空会社だと、その国の食事が出され、それが結構おいしい場合があります。私のお気に入りとしては、ウズベキスタン出張の際に利用したアシアナ航空でのコリア料理(ブルコギ)で、これについてくるチューブ状のコチジャンは使用しなくても必ず家に持ち帰ります。また、アジア各国に行く際によく利用するタイ航空のタイカレーも楽しみにしています。
このような雲の上の楽しい食事ですが、いつも何とかならないかと思うのが、食事の回収の際に出る残飯です。私はもったいないと思い何とか平らげようとがんばるのですが、動きの少ない機上ではあまり空腹になることもないし、カロリーの取り過ぎも気になります。周りの席でも結構残している人が多く見られることもしばしばです。しかし、フライトアテンダントが回収していくトレーの中にどのくらい廃棄される食料があるのかと思うと複雑な心境です。配られる食事が大・中・小の量で選べるようになれば、あるいは、トレイに乗っているものも食べるものだけ取るようにすれば、食料の無駄がなくなるのでは、と思っているのは私だけではないと思うのですが・・・。
この記事を書いた人
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1983年大阪府立大学農学部農芸化学科卒業後、総合化学メーカーの日産化学工業株式会社の農薬部門で6年間勤務。同社を退職後、1989年11月より3年1カ月間、国際協力事業団(JICA)青年海外協力隊員としてバングラデシュへ派遣され稲作を中心とした農業・農村開発の活動を行う。その後、青年海外協力隊調整員として3年6カ月ネパールに滞在、次いで青年海外協力隊シニア隊員として再度バングラデシュに派遣されモデル農村開発プロジェクト・協力隊グループ派遣のリーダーとして2年3カ月間、農村開発の業務に携わる。
2000年9月より米国フラー神学大学院世界宣教学部(Fuller Theological Seminary, School of World Mission)へ留学、異文化研究学修士(MA in Intercultural Studies)を取得。ワールド・ビジョン・インディアのタミールナドゥ州パラニ地域開発プログラム(Palani Area Development Program) での4カ月間のインターンシップをはさんで、2003年9月より英国サセックス大学大学院に留学、農村開発学修士号を取得する。
2004年12月国際協力機構(JICA)アフガニスタン事務所企画調査員として8カ月間カブール市に滞在。2005年9月よりワールド・ビジョン・ジャパンに入団し、支援事業部 部長として勤務。
2021年3月退団。
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