アドボカシー・チームの柴田です。
2015年9月は、とても思い出に残る月となりました。
インドとニューヨークというある意味真逆の都市を訪問したのです。
家族でインドを訪問
わが家では、娘と同じ誕生年月のインドのチャイルドのチャイルド・スポンサーをしています。インド南部チェンナイにあるワールド・ビジョンのオフィスでは、ワールド・ビジョン・インドのスタッフとともに、チャイルドとお母さんが私たちを出迎えてくれました。チャイルドはとても緊張していたようで、恐らく生まれて初めて会う外国人である私たちと会った瞬間泣き出してしまったのですが、一緒にシャボン玉で遊んだり、折り紙をしたりするうちに徐々に打ち解けることができました。
オフィスで、地域が抱える課題やチャイルド・スポンサーシップを通じて行われているプロジェクトについての包括的な説明を受けた後、スタッフとともに実際にチェンナイの街に出て複数のプロジェクトサイトを訪問しました。
どのサイトでも、本当に多くの住民の皆さんが溢れる笑顔で迎えてくれ、チャイルド・スポンサーシップによる支援がどれだけ役立っているかについて、実演つきで熱を込めて説明してくださり、インドの皆さんのホスピタリティにとても感激した、思い出深い一日となりました。
想いは同じ
私が国際協力の仕事を始めた理由の一つは、「もしここに暮らすのが自分だったら?」、という問い掛けでした。今回の訪問は、わが子にとって初めてのインド訪問ということもあり、安全面や健康面はもちろんのこと、カルチャーショックを受けることについても若干心配していました。ところが、娘は今でもインドがとても楽しかった、また行きたいと、インドの思い出を良く話しています。
この仕事に携わる者として、また母親として、日本とはまったく異なる環境に住む人びとや価値観があることについて、身を持って理解してくれたことをとても嬉しく感じました。
帰国後、チャイルドのお母さんから手紙を受け取りました。沢山のお礼の言葉の中で目に留まったのは、チャイルドが私たちの訪問をとても喜び、今でもそのことについて楽しそうに話していて、そのことに感謝しているとの言葉でした。チャイルドのお母さんも、暮らす場所や環境は異なれど、同じ歳の子どもを持つ母として子どもに抱く気持ちは変わらないことに改めて気付かされ、とても嬉しく感じたのでした。
ニューヨークにて
インドを訪問した後、私は、ニューヨークに出張しました。
国連総会特別サミットで、新しい開発目標である持続可能な開発目標(SDGs)が採択され、世界は、ミレニアム開発目標(MDGs)の時代から、新しい開発目標の時代に入ることになりました。
SDGsは、2030年までの世界の開発目標を定めており、「我々の世界を変革する:持続可能な開発のための2030アジェンダ」が正式な名称となっています。
ワールド・ビジョンは、SDGsが子どもを中心とした目標となるよう、ここ数年にわたり、様々なアドボカシーを続けてきました。ニューヨークでは、ワールド・ビジョンの主張を取り入れたSDGsの採択を見届けることができ、本当に感慨深いものがありました。
一方、ニューヨークで様々な会議やサイドイベントに参加して感じたのは、すでに関係者の議論の焦点がSDGsの「実施」に向かっているということでした。SDGsの採択に至るまで、国際機関や各国政府のみならず、NGOやアカデミア、ビジネス界など、実に多くの人びとが関わっており、それゆえにSDGsは、17目標169ターゲットと大変壮大な内容になっています。だからこそ、SDGsに携わった多くの者の願いとして、採択された目標が絵に描いた餅にならないように、いかに効果的にSDGsを実施していくかについて、熱心な議論が交わされていたのでした。
チェンナイとニューヨークというまったく異なる都市を訪問し、このSDGsの背景にある世界の課題、すなわち、格差の拡大、このままのライフスタイルを続けると地球環境は持続しないこと、脆弱層の拡大などについて、文字通り体感することができました。
インドに住むチャイルドや日本に住むわが子が成人する頃、子どもたちが希望を抱くことのできる持続可能な世界となっているよう、SDGsが「誰も取り残さない(Leave no one behind)」形で実行され、目標が達成されるよう、これからも取り組んでいきたいと思います。
アドボカシー・チーム
柴田哲子
この記事を書いた人
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貧困や紛争の原因について声をあげ、市民社会や政府による行動を通じて問題解決を目指していくアドボカシー。
他のNGOをはじめいろいろな関係者と連携しながら活動を行っています。ロビイングやキャンペーンにかける想い。ぜひお読みください!
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