【スタッフ・ブログ】国際NGO ワールド・ビジョン・ジャパン

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バングラデシュを、いろいろな角度から眺めてみると

2017年の4月より、日本NGO連携無償資金協力によるバングラデシュの水衛生事業を担当しています。私は2009年から2年半ほどスリランカ内戦後の緊急・復興事業に従事していた事があり、南アジアで働くのは初めてではありません。スリランカ人は南アジア内では穏やかな方だという印象を持っていました。大陸側は人の気質も少し険しいというイメージを持っていましたが、バングラデシュ人も基本的には穏やかな人たちで、しかも真面目なので仕事はやり易いのかなと感じています。その一方で、1971年の独立後から様々な援助機関からの支援を受けてきた国でもあることから、NGOが様々な事業を行ってきた歴史があり、多くの人々が援助に慣れているという難しさもあります。

事業で設置された井戸の前で(筆者は前列左)

バングラデシュは多くの貧しい人口を抱えることから、革新的な貧困の解決方法が考え出され、普及されてきたという、外からの力に頼るだけではない一面も持っています。その例の一つは、貧困層が金融機関にアクセスできるようになることにより貧困層の生活の助けとなり、金融機関も顧客の数が増えるという、双方に取って利点のあるマイクロ・ファイナンスという仕組みです(この仕組みを始め、普及に大きな役割を果たしたグラミン銀行の創立者であるバングラデシュ人のモハメド・ユヌス氏は、2006年にその功績が評価されノーベル賞を受賞しています)。

生啓発活動を行っている様子

衛生啓発活動を行っている様子

若い人口が多く、良いアイデアやそれを実践できる人も擁するバングラデシュは、近年継続的に高い経済成長を遂げています。日本の企業も特に縫製業などで進出が進んでおり、日本で売っている服の中にバングラデシュ製を見る機会も増えています。しかし人口の多い国で経済的に発展するということは、発展から取り残される人も多いということですし、弱い立場の人、搾取されている人、またはそうでなくても自分の置かれた現状に不満がある人も多いでしょう。そのような状況の中で、ワールド・ビジョンとして発展から遠く離れた地域で取り残される人々に寄り添って事業を行っていく、また人々の声が聞こえるように啓発を行っていくという意義は大きいと思っています。事業の話は次回から。

雨季のバングラデシュは水浸し…!

雨期のバングラデシュは、水浸しになってしまいます…!

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【関連ページ】

バングラデシュ:国情報
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この記事を書いた人

三浦 曜バングラデシュ事業担当 プログラム・オフィサー
米国Washington and Lee大学理学部化学科卒業。在学中にケンタッキー州の都市貧困にかかわるNPOでインターンをした事でNPOの働きに興味を持つ。一般企業で勤務後、帰国し2008年9月にワールド・ビジョン・ジャパンに入団、支援事業部緊急人道支援課に配属となる。2009年から2011年までスリランカ駐在、2013年から2015年5月まで東ティモール駐在。2015年8月に退職し、ロンドン大学公衆衛生学・熱帯医学大学院でMSc. Public Health in Developing Countries(途上国における公衆衛生)修士号を取得。2016年10月に再びワールド・ビジョン・ジャパンに入団、支援事業部開発事業第2課での勤務を開始。現在、バングラデシュ事業担当。2018年3月退団。
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