もう5カ月近く前のことになるが、3月に事業視察のために中部アフリカにあるルワンダを訪問したので、そのことを通して思わされたことを書こうと思う。
視察では、現地スタッフと地域の保健員が連携して、支援を実施している様子をみることができた。例えば、これまで屋根のないところで調理していたため、雨が降ると火をおこせなくなり、子どもに十分な食事を与えられなかった、という家庭を保健員の方が見つけて、台所の屋根を支援したり熱効率をあげるためにのかまどのつくり方を教える、といった具合だ。
そのようにして視察を続けていた時に、 ジェノサイド(大量虐殺)により家を失った世帯へ、屋根となるトタンを支援しているという話を伺った。ただ、支援するのはトタンだけで、家の建築は地域住 民がその人のために協力して行っているということっだった。さらに話を聞いてみると、ルワンダでは 「Do it for community」(地域奉仕活動) といって毎月最後の土曜日に住民が自分たちの住んでいる地域を良くしていくために奉仕活動を行っており、私が訪問した地域では、その活動の一つとして、社 会的に弱く貧しい人のために、 家づくりを地域住民みんなで行っているとのことだった。
ふと、ルワンダの事務所の壁に貼られていた活動指 針の一つに、「レジリエンス(回復力)の改善」 とあったことを思い出した。後日たまたま目にした本に、レジリエンスとは 次のような意味があると書かれていた。
「レジリエンスとは、社会システム、企業、個人が極度の状況変化に直面したとき、”基本的な目的と健全性”を維持す る能力」
ルワンダに当てはめて考えてみると、”基本的な目的と健全性”とは歴史的な背景を乗り越えて、一緒に生きていくためにそれぞれ の 地域で住民同士がつながりを強めることなのかな、と思うとともに、「Do it for community」 のような、地域のためにみんなで力を合わせる素晴らしい習慣がこの国の希望のように感じた。
日本では、私の住んでいる場所も含めて、今月は納涼祭などの催し物があり、最も地域の住民同士がつながりを感じやすい時期なのかもしれない。近所の地域掲示板に納涼祭の開催のための人員が不足していると書かれていたので、参加してみようかな。
マーケティング部募金課 上田
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