チャイルド・スポンサーシップによる支援では、子ども達の健やかな成長を支える環境づくりとして「地域開発」を進めています。
「地域開発」というコンセプトは、一般の人たちはもちろん、人民政府の職員や学校関係者にとっても新しいコンセプトで、
その深い意味についてはあまり知られていません。
しかし、チャイルド・スポンサーシップの成果や持続性を高めるには、共に働く事業のパートナーには「地域開発」を十分に分かってもらう必要があるため、月末にベトナムの郡やコミューン政府の職員、約30人に対して2日間の研修を行いました。
その研修で参加者は、「貧困」、「持続性」、「参加型(開発)」といった地域開発に欠かせないキーワードや、ワールド・ビジョンが進める地域開発の原則について、説明を受けました。
説明を聞いた参加者等は、ワールド・ビジョンの取り組み方は、地域の貧困をなくすための合理的で効果的でアプローチであると、賛同してくれました。
参加したファンガイコミューンの人民委員会委員長は、これまでの経験を振り返り、こう話してくれました。
「ワールド・ビジョンがこれまでやってきたことが、以前よりもっと理解できるようになりました。
ワールド・ビジョンのやり方は、私が知っている他の事業やプログラムよりも、もっと合理的です。
・・・というか、もしかしたら本当は違いなどないのかもしれないけれど、今回のように理論的に説明されたことがなかったので、なぜそれらの支援事業・プログラムがそのように実施されたのか、理解することはできませんでした。」
郡やコミューンのパートナーによる積極的な参加で、研修は実り多いものとなりました。
現地のパートナーがチャイルド・スポンサーシップの基本理念やアプローチを十分に理解してくれれば、
彼らはチャイルド・スポンサーシップの実施に熱心に協力し、最大の貢献者になってくれることは、間違いありません。
同時に、パートナーとの関係を深めるなかで、チャイルド・スポンサーシップによる支援地域のスタッフ達も彼らのことを(誤った思い込みをしていたり、質問を抱えたりしている、など)理解することができます。
これからも、双方が十分なコミュニケーションをとりながら、チャイルド・スポンサーシップを進めていきたいと考えています。
この記事を書いた人
- 埼玉大学工学部卒、英国マンチェスター大学(UMIST)IDPMにて開発プロジェクト計画・管理修士課程修了。国土交通省の公益法人でODAインフラ事業の形成業務や欧米諸国の建設行政に係る調査業務等を経て、2002年から2年間、UNDPタイ事務所へJPOとして赴任。2004年から約1年半、JICA東京にて都市開発課題の技術協力コンテンツ開発業務等に従事。2006年1月にワールド・ビジョン・ジャパン入団。
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