【スタッフ・ブログ】国際NGO ワールド・ビジョン・ジャパン

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地図のない世界も怖くない→新しい自分、ここから。

みなさんは幼いころ、どんな物語が好きでしたか?

私のお気に入りは、「カロリーヌのぼうけん」シリーズや、学研まんが秘密シリーズの「忍術・手品の秘密」でした。幼いころから通っていた教会学校で、未開の地に出ていった宣教師の話を聞くのも、大好きでした。

宣教師の話は、誰かの旅行記の本が出版されているとか、誰も行ったことのない「事実上地図のない未開の地」に踏み出すという物語です。私のお気に入りは、リビングストン*や、エミー・カーマイケル**でした。

*David Livingstone[1813~1873]英国の医師・宣教師・探検家。1840年、医療伝道師としてアフリカに渡り、アフリカの探検をつづけた。奴隷貿易の廃止にも貢献
**Amy Wilson Carmichael[1867-1951]主にインドで宣教活動をしたプロテスタントの婦人宣教師

ワクワクしながらその物語を聞いていましたが、「私も行ってみたい!」とは…なりませんでした。

困った人の役に立つ仕事はしたいとは思いました。だけど、暗闇が怖いし、好き嫌いが多く食べられないものが多かった6歳だった私は、「そんなところには食べるものもないし怖くてとても行けない、だから私はこの国でできることをしたい」という手紙を父あてに書きました。その手紙を読んだ父が大笑いしていたことを今でも覚えています。

気づけば、地図の外へ踏みだす仕事に

その当時私は小学校に上がったばかりでしたが、そこから年月を経た今では夢がかない、日本にいながら、ファンドレイジング(活動のための資金を集める)を担当することで、困難な環境にある子ども達のために働く仕事に就けています。

ケニアに暮らすアリ君。このアリ君の写真を掲載した広告で「目があった」ことをきっかけに支援を開始くださった方も多くいらっしゃいました

ケニアのアリ君。アリ君の写真を掲載した広告を見て支援を開始くださった方も多くいらっしゃいました

子どもの時に「地図の外に踏み出して未開の地に行けない」と思った私でしたが、「地図の外に出ること=自分が心地よくいられるところを出て挑戦するとこと」だとすると、今の仕事では「地図の外に出る経験」をよくしているなぁと感じています。

新型コロナがやってきた

今年、日本を含む世界中が新型コロナの脅威にさらされ、私が一番初めに心配したこと。それは、ご支援してくださる方が見つからなくなって、活動が続けられなくなったらどうしよう…ということでした。世界中のどの地域にも影響はありますが、一番弱い立場にいる子どもたちが最も過酷な状況に陥るということは明らかです。

でも実際は、こういった時だからこそ行動をしてくださる方が本当に多くいらしてくださり、必要な支援活動を続けることが出来ています。これは私たちが何かをしたということではなく、この時期に支援をするという選択をしてくださった方が多くあったということだと考えています。まだまだ先が見えない中、何が起こるかわからない不安も大いにありますが、困難な中で他者のことを想い、行動してくださる方がこんなにもいてくださいます。

今は、意図せず、世界中が地図のない世界に放り出されたような状況だと感じています。本当は「えいやっ」と勇気をもって踏み出すはずの地図のない世界。今回は心の準備はないまま、それでも示されない道程を自分の中の指針に従って日々悩みつつ進むしかない中にあるのではないかと思います。

その中にあって、他者のことを想い、想うことにプラスして行動で示してくださる方々がこんなにもいてくださることは、何もよりも心強いことです。

地図のない新しい世界では、ままならないことや不公正に憤ることがふだんよりも多くあります。しかし、最も困難な環境の中にいる子どもたちが、そのような環境の中でも希望を失わずに将来に夢をもち続けている現実を覚える時、また子どもたちのことを想い多くの方に応援し続けて頂けている事実をかみしめる時、地図のない世界も怖いものではなく、希望ある未来へと変えることができると思っています。

今この状況だからこそ、知らなかった「新しい自分」に出会えること、それぞれに「新しい自分」を見つけてくださっている方にもっともっと出会えることに、期待が膨らみます。

本当に多くの一人ひとりの方が一緒に活動してくださっていることに、心強さとともに感謝でいっぱいです。

ケニアの支援地でたくさんの子どもたちの笑顔に出会いました(中央が筆者)

ケニアの支援地でたくさんの子どもたちの笑顔に出会いました(中央が筆者)

新規ファンドレイジング課 堀切 かおり

 

 


WVJは厳しい環境に生きる子どもたちに支援を届けるため、11月1日~12月28日まで、3000人のチャイルド・スポンサーを募集しています。

この記事を書いた人

WVJ事務局
世界の子どもたちの健やかな成長を支えるために、東京の事務所では、皆さまからのお問合せに対応するコンタクトセンター、総務、経理、マーケティング、広報など、様々な仕事を担当するスタッフが働いています。
NGOの仕事の裏側って?やりがいはどんなところにあるの?嬉しいことは?大変なことは?スタッフのつぶやきを通してお伝えしていきます。
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