ワールド・ビジョンは、日本で多くの方に支援の輪に加わっていただくために、途上国の子どもたちの日常をドキュメンタリー形式でお伝えするテレビ番組を制作しています。
https://www.youtube.com/watch?v=SP5p7gdLzLQ&feature=youtu.be&t=120
カンボジアのテリちゃん(8歳)に会ったのは去年の夏。わたしがこの番組の取材を担当して9年になりますが、8歳のテリちゃんは今まで出会った子どもたちの中で、最年少の働く女の子でした。
テレビの取材でカンボジアを訪れるのはこの年が3回目。行く度に町の様子が変わり活気づいているのが分かります。カフェや輸入品が並ぶスーパーが増え、以前は観光客向けだったそれらの場所にカンボジアの人たちが多く訪れるようになっていました。
しかしその裏で、市内の中心部にあったスラムは取り壊され、外国人向けの高級マンションに建て替わっていました。まだ残っているスラムの家賃は高騰し、追い出された人々が川沿いや、お墓などに移り住んでいるという現実がありました。
テリちゃんの家族も、以前住んでいたところの家賃が払えなくなり、寺院にあるお墓の横に仮住まいを建てて生活していました。
朝。子どもたちは本来、学校に向かう時間。
テリちゃんはリアカーに乗せられ、“職場”となる蓮沼に連れられていきます。
午前中はここでハスの茎や葉を収穫し、午後にはそれを売り歩くのが仕事です。
「ふかいところにある茎をとるのがいちばんこわいよ。
あたまから水にもぐるから、おぼれそうになっちゃうの」
沼の底には空き缶や割れたビンが落ちていて、靴を履いていないテリちゃんの足は切り傷がたえません。
4年前、お父さんを病気で亡くしました。お母さんが仕事に出ている間、お父さんの看病をして、体を拭いてあげていたのはテリちゃんでした。
「元気になってほしかったけど、お金がなくて注射を打てなかったの。
お父さんのことはよく覚えてるよ。死んじゃった時はずっと泣いてたの」
テリちゃんは小学校にも行ったことはありません。でも、勉強して将来かなえたい夢があります。それは、お医者さんになって、お父さんのような病気の人を治してあげること。
「お父さんが死んじゃって悲しかったから、誰かが悲しまなくていいように、病気を治してあげたいの」
そんな優しい気持ちを話してくれました。
8歳に押し寄せる悲しいことを乗り越えて
テリちゃんの8年の人生に押し寄せる悲しいこと、怖いこと。
それなのに、テリちゃんは働いている間も、話をしている最中も、ずっと笑顔でした。「おぼれそうになってこわい」と言いながらも笑っているテリちゃん。
テリちゃんのお母さんも同じでした。「私一人の稼ぎで子どもたちを食べさせてやれなくて辛い」そんな風に話しながら笑っていたお母さん。
辛いのに、どうして笑っているの?わたしは最初、疑問に思いました。
でも、二人を見ている間にその理由が分かった気がしました。
テリちゃんは、悲しかった出来事も、怖い体験も、小さな体で受け止めながら、それでも前に進むために、笑顔でいるように見えました。お母さんも、目の前の現実を受け止めながらも前を向くために、笑顔でいようとしているように感じました。
テリちゃんも、お母さんも、厳しい毎日から逃げ出さず、強く生きていました。
カンボジアに限らず途上国の貧困地域では厳しい生活から逃げ出すようにドラッグに手を出し、犯罪に手を染めてしまう人が後を絶ちません。
クリスマスまでに、あと3000人の子どもを救いたい
テリちゃんのような子どもたちの夢が消えてしまう前に。
チャイルド・スポンサーになって、子どもたちの夢を支えてくださいませんか?
WVJは厳しい環境に生きる子どもたちに支援を届けるため、11月1日~12月28日まで、3000人のチャイルド・スポンサーを募集しています。
新規ファンドレイジング課 山下泉美
【山下スタッフの過去のブログ】
・世界を変えた新型コロナ「三密」のスラムは今
・0回目の誕生日パーティー 貧困を生きる少女の叶わぬ夢
・サッカーボールと、溶けたアイス~カンボジアのスラムで出会った少年の意外すぎる行動
・バングラデシュ スラムの少女 怖いと感じたら生きていけない
この記事を書いた人
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世界の子どもたちの健やかな成長を支えるために、東京の事務所では、皆さまからのお問合せに対応するコンタクトセンター、総務、経理、マーケティング、広報など、様々な仕事を担当するスタッフが働いています。
NGOの仕事の裏側って?やりがいはどんなところにあるの?嬉しいことは?大変なことは?スタッフのつぶやきを通してお伝えしていきます。
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