【スタッフ・ブログ】国際NGO ワールド・ビジョン・ジャパン

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流行語に「SDGs」「ジェンダー平等」がノミネート。世界は「見たい未来」に向かっているの?

その年に最も話題になった言葉を選ぶ『新語・流行語大賞』
五輪関連ワードが多数占める中、「SDGs」や「ジェンダー平等」がノミネートにランクインし、テレビなどのメディアでもSDGs関連の話題を目にする機会が増えました。

「SDGs」は2015年の国連サミットで決められた持続可能な開発目標)。 「貧困をなくそう」「飢餓をゼロに」など17の目標からなっており、2030年までに世界の貧困を終わらせ、持続可能な世界の実現を目指すものです。この目標の1つに、もうひとつ流行語にノミネートされた「ジェンダー平等」を実現しようが入っています。

こういったワードが一般的に注目されるようになり、そのことを意識する人が増えた今、世界は私たちが目指す「見たい未来」に向かっているのでしょうか。

世界では、女の子たちが厳しい現実の中
恐れと不安の毎日を生きています。
年間1200万人が児童婚を強いられ、
1分間に22人の女の子の未来が失われています。
10分に一人、思春期の少女が暴力により、亡くなっています。

私は、日本の皆さんに世界の子どもたちのことを知っていただき、新しく支援の輪に加わってくださる方を募るファンドレイジングを担当しています。テレビを通して子どもたちが置かれている状況をお伝えするために、最も厳しい環境に暮らす子どもたちを取材してきました。

バングラデシュで出会ったミナちゃん(12歳)もその一人。
ミナちゃんは、毎朝5時に市場に行きます。
落ちている食べ物を拾ったり、物乞いをするためです。
毎日やってくるミナちゃんに、市場の人たちは嫌な顔をします。
どなられても、無視されても。
たくさんの大人たちの視線におびえながら「何かください」とくりかえします。

午後になると、ゴミ山へ行きます。
暗くなるまで売れるものを探して歩きます。

ミナちゃんを取材した日のことは、忘れられません。
同じ日に出会ったもう一人の女の子モスミちゃんは10歳で、大変な暮らしの中でも無邪気にふるまう姿が愛らしい少女でした。
12歳のミナちゃんはそれより少しお姉さんで、自分が置かれている状況を理解し、家族のために自分が働かざるを得ないことをわかっていました。その分、懸命さと悲しさが表情に現れていました。

バングラデシュのスラムで出会った12歳のミナちゃん(左)と10歳のモスミちゃん

バングラデシュのスラムで出会った12歳のミナちゃん(左)と10歳のモスミちゃん

「本当はもう行きたくない。
悪い人が身体を触ってきて、こわい」
ミナちゃんと数日過ごす中で聞かせてくれた心の叫びでした。
今までお母さんにも言ったことはないそうです。

市場やゴミ山では、弱い立場にある子どもたちや女性に対する嫌がらせが頻繁にあり、暴行や誘拐など、犯罪の犠牲になることも少なくありません。
こんな危険な場所でたった一人、働くミナちゃん。怖いに決まっています。

実は私たちが訪れる少し前に、この市場で子どもが殺される事件があったと聞きました。「この子が物を盗んだ」と誰かが言いはじめ、大人たちが暴行を加えたそうです。あとになって、その子は何も盗んでいないことが分かったそうですが、圧倒的な人の多さと混沌さに満ちた市場の雰囲気は、何があっても不思議ではないような怖さを感じました。

ゴミ山で働くミナちゃん

ゴミ山で働くミナちゃん

世界は「見たい未来」に向かっているの?
これまで長年にわたり、世界中が知恵、努力、資金を集結し貧困に立ち向かってきました。その成果が見られ、新型コロナのパンデミックが起こる前までは、極度の貧困状態にある人の数は減少していました。

しかし、状況は一変。この感染症の影響を受け、新たに貧困に陥る人の数は世界中で急増、世界銀行はその数が1億5000万人以上になると予測しています。

それだけでなく、大人たちが仕事を亡くし、子どもたちは逃げ場をなくし、もともとあった児童婚や暴力の問題が増え、弱い立場にある子どもたちや女性たちの生活や命がますます脅かされるようになりました。

これまでなんとかつなぎとめてきた子どもたちの命や希望、夢の可能性が途絶えてしまう前になんとかしなければ、「見たい未来」が来る日が、さらに遠くなってしまうかもしれません。

クリスマスまでに、あと3000人の子どもを救いたい。
新型コロナの影響で、もともと貧困で苦しんでいた子どもたちの生活はさらに厳しくなっています。

わたしたち自身が明日の暮らしに不安をいだく中で、できることは限られているかもしれません。それでも・・。

“何もかも”はできなくとも、”何か”はきっとできる。
Don’t fail to do something just because you can’t do everything.

あなたも、3000人の一人になって子どもたちを支えていただけませんか?
厳しい環境に生きる子どもたちに支援を届けるため、12月25日までに、3000人のチャイルド・スポンサーを募集しています。

ファンドレイジング担当
山下 泉美

ミナちゃんと筆者

ミナちゃんと筆者


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この記事を書いた人

WVJ事務局
WVJ事務局
世界の子どもたちの健やかな成長を支えるために、東京の事務所では、皆さまからのお問合せに対応するコンタクトセンター、総務、経理、マーケティング、広報など、様々な仕事を担当するスタッフが働いています。
NGOの仕事の裏側って?やりがいはどんなところにあるの?嬉しいことは?大変なことは?スタッフのつぶやきを通してお伝えしていきます。
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