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置かれた場所は途上国|5歳の息子と子連れ赴任:ネパール

■ 5歳の息子と子連れ赴任 in ネパール

ネパール」と聞くと、やはりエベレスト!ヒマラヤ山脈!!でしょうか。

ネパールは、北はチベットと接するヒマラヤ山脈、南はインドへとつながるタライ平野にはさまれた、面積約14.7万km2の小さな国です。今、ちょうど雨期があけ、観光のベストシーズンが到来!空気は澄み、山々を遠目に見るにも、眺めつつトレッキングするにも、そして登るにも、いい季節です。ちなみにネパールは、標高5,000mを超えなければ「山」ではなく「丘」と呼びます。この定義だと、日本には山がないことになりますね(笑)

ネパールの山々

ネパールの山々

私が通う事業地は、ネパールの極西部に位置するドティ郡というところです。「極めて西」、何だか「奥地」感に充ちたこの地名にワクワクしませんか。たどりつくのは至難の業で、実際に足を運べば、この地域が決して名前負けしていないことがわかります。しかし、一応、舗装された幹線道路が事業地まで続いているため、現地の人々は口をそろえて「ドティはアクセスがいい」と言います。

生活は極めて不便。土埃と排気ガスがひどく、水や電気は不安定。道路はつぎはぎだらけでガタガタ、水道管敷設や道路拡張工事などが行われると、何カ月も道を掘り返したままの状態になります。ただ、そんな不便さも暮らせばだんだんと慣れてきます。その気持ちのシフトを後押しするのは、何といっても「人の素朴な温かさ」だと思います。

支援地域の女の子

支援地域の女の子

私はこれまで何度か海外駐在を経験したのですが、今回の駐在が以前と異なるのは、5歳の息子を連れた単身赴任ということです。

基本的にモノゴトを楽観視するタチで、この駐在の決断もそれほど悩まなかったのですが、いざ始まってみたらこれがまぁ大変。不慣れな外国での生活が大変なのは織り込み済みですが、外で遊ばせる場所がなかったり、扉を開けたまま走るバスなど安全な移動手段が限られていたり、最初はフラストレーションもたくさんありました。

ただ、人の優しさに触れる機会が多いのは子連れならではの醍醐味です。道を歩けば皆が頭をなで、バスにのれば「ここに座れ」とヒザを差し出してくれます。飲食店で見かねた行動があれば、見ず知らずの人にも関わらずわが子のように諭し、その後、オヤツをそっとご馳走してくれたりします。

ドティ地域の人々

ドティ地域の人々

■ ここがヘンだよ!ネパール

海外、しかも開発途上国となるといろいろ不思議に思うことがあります。文化背景の違いから、「なんで??」と驚くことはとっても多いですが、これがまた海外で暮らす魅力の一つでもあります。

支援地の子どもたちと加藤スタッフ

支援地の子どもたちと加藤スタッフ

ネパールと一口にいっても民族も地域性も多様です。一概に「こう」とは言えませんが、これまでの駐在生活で驚いたことをいくつかお伝えしたいと思います。

ネパールでの最初の驚きは、日本との時差が3時間15分という中途半端さ。以前、ミャンマーに駐在していたときは2時間30分で、時差って1時間毎じゃないんだ!と驚きましたが、15分の時差もあるんです。15分単位の時差を導入しているのは、国としては世界で唯一だそうです。大国に挟まれた小国ネパールが、その差別化をはかるための意地だという説もありますが、何はともあれ、日本の家族や事務所とのやりとりに、この15分がややこしいことは確か。その差引きを間違えた失敗は数知れず…。

そして日付。ネパールは今2074年、近未来を生きています!ネパールではビクラム暦という太陰暦が公式に採用されていて、人々の日常にはこれが根付いています。1年が13カ月ある年もあり混乱します。
役所や企業、公立学校の多くは週休1日制、日曜日は平日です。教会も外国人向けを除き、土曜礼拝を守るところが多いです。その代わり、平日の就業時間や就学時間は10~16時など短かめな設定が多いようです。

一方、ネパールは、朝がとても早い一面もあります。中等教育では朝6時半から授業などという話もよく耳にします。学校が昼前に終われば、一日がとても長くていいような気もしますよね。

必要以上にこんがらがった、時折火花を散らす電線の上をサルが歩き、ウシは渋滞真っ只中の道の真ん中で寝そべる。イヌは日がな一日ウトウトと眠り、夜になると目を爛々と輝かせ活動を開始する ― そんな舞台は日本では銀座さながらの繁華街。そんなオシャレな街中を動物そのものはもちろん、どこもかしこも落し物。実にのどかです。人間と動物の共存を感じます。

ヤギを抱える支援地の子どもたち

ヤギを抱える支援地の子どもたち

ちなみに街中にある動物園では、どこでも見られるネコや水牛が普通に檻に入っていて、これもアリなんだ、と妙に落ち着きます。

生活の中でも驚くことはいろいろ。食器は屋外で干せば殺菌になるとホコリだらけの中に放り出すし、12時開始ときいて参加した息子の友人の誕生パーティー、私たちに次いで招待客がやってきたのは、実に2時半でした。「ネパール時間」とはいうものの、実におおらかです。

*前半の文章は、キリスト新聞(11月1日)に掲載された記事を転載したものです

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【関連ページ】

ネパール:国情報
チャイルド・スポンサーシップとは
政府・国連等との連携

この記事を書いた人

加藤 奈保美
加藤 奈保美ネパール駐在 シニア・プログラム・コーディネーター
神奈川県生まれ。早稲田大学・同大学院理工学研究科にて、アジアの建築史について学ぶ。在学中に阪神淡路大震災でボランティアを経験したことから、防災や被災地支援がライフワークに。卒業後は建設コンサルタント会社に勤務。自然災害を中心とした国内外のインフラ事業に従事する。2008年6月、ワールド・ビジョン・ジャパンに入団。サイクロン後のミャンマー、大地震後のハイチで復興支援に取り組む。東日本大震災後は、一関事務所の責任者として岩手県に駐在した。2014年4月から、アフリカのスポンサーシップ事業を担当、現在は、支援事業部 開発事業第2課所属。2017年1月からネパール駐在。
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