ワールド・ビジョン・ジャパンには、チャイルドや支援地域の状況、プロジェクトの進行具合をチャイルド・スポンサーの皆さまへご報告できるよう、22カ国56支援地域(2015年1月現在)から、日々デジタルで情報(写真や動画などのデータ)が届きます。私はその情報の内容を確認し、不備がないかをチェックする業務を担当しています。
これから新しく紹介されるチャイルドたちの紹介動画を確認することが多いのですが、動画では特に一人ひとりのユニークさが目立ちます。カメラのレンズに向かって自己紹介をするという不可思議な体験に緊張し、言葉が出ない子もいますが、歌ったり踊ったり、きちんと自己紹介している子もいます。
子どもたちの話す声を聞き、恥ずかしがったり、不安げだったり、はしゃいだりという様子を見ると、どの子も個性を持った、大切な一人の子どもなのだという思いを強く持ちます。
デジタル化が進む一方、手紙のやり取りは、やはりチャイルドとの大切な交流方法です。「メールより手紙の方が、温かみがある」と言う方もいますが、支援地域の子どもたちからの手紙を見ていると、鉛筆やサインペンの色や筆圧、書き直した跡、紙の汚れ具合などから、手紙を書いている子どもたちの姿を想像することができます。
ところで、私自身もモンゴルの女の子のスポンサーをしています。筆不精であまりマメに手紙は書いていませんが、クリスマスや誕生日など、記念日にふと思い出して手紙を書いています。自分で書く方は億劫であることがほとんどですが、チャイルドからの返事はうずうずしながら待っています。
中でも2年前に手紙をもらったときの衝撃は忘れられません。冬休みになった、など、何気ない報告の最後に突然「I love you Yuri.」と書いてあったのです。現地語の手紙を見てみると、丁寧な字で「I love you ■■(モンゴル語で「Yuri」と思われる文字)」と書いてありました。目をこすって何度も確認しました。今まで誰かから「I love you」なんて言われたことは初めてでしたし、まさかチャイルドがそんなことを言ってくれるなんて!
それまで手紙が来るのはもちろん楽しみにしていましたが、いざ手紙が届くとさらっと読んで終わりでした。でも、その手紙をもらったことをきっかけにこれまでもらった手紙を読み返してみると、日々の出来事はもちろんのこと、勉強が好きだということ、馬頭琴という楽器に興味があって習ってみたこと、その年の最優良生徒(best student)として選ばれたこと、将来は国の発展のために役立つ人になりたい、日本語を勉強したとまで書いてあり、チャイルドが自分自身について語ってくれたことにあまり注目してこなかったことに気づきました。
私はチャイルドに「I love you」と言ってもらえるほどの愛情をもって接していただろうか。チャイルドが元気で育ってくれればそれで良いと思っていましたが、その気持ちが逆に本当のチャイルドを理解する目を曇らせていたような気がします。
実際に会ったことはありませんが、チャイルドの成長の様子や性格、好きなこと、どんな子なのかを手紙を通して想像することで、チャイルドが一人の生身の存在として、現実味をもって感じられるようになりました。
日本と途上国の支援地とは、物理的な距離のためか、現実味をもってお互いを感じることはなかなか難しいです。また、さまざまな事情により、長く濃いつながりを持っていただくことが叶わない場合も、残念ながらあります。しかし、大小問わず、チャイルドとの交流で支援する側にも思いがけない発見、驚き、喜びがあることがチャイルド・スポンサーシップの魅力だと思います。
心理的距離をもっと縮め支援をより実感していただければと、“チャイルドとの距離が近くなる専用サイト”「マイ ワールド・ビジョン」も始まりました。それに伴い、“支援地の情報を確認できるページ”「支援地域を見る」も新しい動画が加わり、“ホームページから簡単に手紙を出せる”「Eレター」も始動しています。
日本でも支援地域でも、スタッフが協力し試行錯誤しながら新しい取り組みを続けていますので、これから拡充されていく様々な機能もどんどんご活用いただき、ご支援を楽しんでいただければ幸いです。
「マイ ワールド・ビジョン」に登録し、ログインすると、チャイルドの写真や地域の情報が見られるほか、Eレターも簡単に書くことができます。
「チャイルド・スポンサーシップ申込」ページでは、スポンサーを待っている子どもたちを、写真や動画付でご紹介しています。
この記事を書いた人
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世界の子どもたちの健やかな成長を支えるために、東京の事務所では、皆さまからのお問合せに対応するコンタクトセンター、総務、経理、マーケティング、広報など、様々な仕事を担当するスタッフが働いています。
NGOの仕事の裏側って?やりがいはどんなところにあるの?嬉しいことは?大変なことは?スタッフのつぶやきを通してお伝えしていきます。
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