【スタッフ・ブログ】国際NGO ワールド・ビジョン・ジャパン

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フィリピンのチャイルドの無事を祈る日々

11月8日(金)フィリピンを襲った台風30号。日本でも連日報道されているが、甚大な被害の大きさが日を追うごとにあきらかになっている。フィリピンにはワールド・ビジョン・ジャパンがチャイルド・スポンサーの皆さまと一緒に支援をしている地域が2カ所、レイテ島のタクロバン市北部と、サマール島南部サンタリタ市にある。その中でも特に貧困の中にある人々や子どもたちを対象に約3年前から地域に根差した支援活動を続けてきた。まさにその場所が今回の台風の被害を受けている。

支援物資を受け取った方と話をするWVスタッフ

支援物資を受け取った方と話をするWVスタッフ

現地スタッフは早速緊急支援体制を整え、日々懸命に活動を行っている。通常は首都マニラで働いているスタッフも、緊急支援活動と支援されているチャイルド一人ひとりの状況を確認するために現場に入り懸命に活動している。

しかし、治安の悪化や陸路の分断などで活動は難航しており、思うように進めることができていない。支援チャイルドたちの安否は台風発生後、1週間となった今でもまだ情報がつかめていない。

教室に設置された黒板に文字を書く子どもたち「2012年度サマール地域プログラム近況報告より」

教室に設置された黒板に文字を書く子どもたち「2012年度サマール地域プログラム近況報告より」

フィリピンのチャイルドを支援してくださっているスポンサーの方々からは連日「チャイルドは大丈夫なのでしょうか」という問い合わせを受けている。中には涙ながらに電話をくださる方もおられるが、「現在緊急支援活動を進めながら、チャイルドの安否を確認中です。状況が分かり次第ご連絡いたします」としかお伝えすることができない状況である。

チャイルドのことを思い心配してくださっているスポンサーのお気持ちを思うと、申し訳なく本当につらい。一刻も早く支援を届け、安否を確認してほしいと焦る気持ちでいっぱいだが、一方、不眠不休で懸命に働いている現場のスタッフこそ、日本で働く私以上に、一刻も早く、あの子どもたちに、人々に緊急物資を届けたいと思っているに違いない。また、そのスタッフも、自身や家族が被災しながらの活動となっているかと思うと、ただただ無事を祈ることしかできない。

この2つの地域では、子どもたちを取り巻く貧困の改善を目指し、2~3年前から教育や保健衛生、経済開発、指導者育成といった分野の支援活動が行われてきた。昨年の支援活動報告書には、教育支援を喜ぶ子どもたちの笑顔の写真が掲載されている。

笑顔の子どもたち「2012年度サマール地域プログラム近況報告より」

笑顔の子どもたち「2012年度サマール地域プログラム近況報告より」

また、実は台風発生の1週間前、この地域からチャイルド・スポンサーの方にご紹介するチャイルドとして新たに登録された子どもたち、約200名分の情報(写真やプロフィール)が日本に到着したばかりだった。新しく登録された子どもたちは、日本のスポンサーとの出会いを楽しみにしていたに違いない。どきどきわくわくしながらスポンサーに紹介するための写真撮影に収まったに違いない。現地スタッフも子どもたちの資料を時間をかけて丁寧に集めてくれたはずだ。

タイの子どもたちと筆者

タイの子どもたちと筆者

とにかく、地域の子どもたちや人々が全員無事であってほしい。そしてその無事のニュースを一刻でも早くチャイルド・スポンサーの皆さまに伝えたい。今は日々そのことを祈り願い、必要な支援を届けるための活動をするしかないと思っている。

すぐにもとには戻らないかもしれないが、日本の温かい支援者の皆さまと一緒に、今こそ希望を届けていきたい、また、まだスポンサーを紹介していないチャイルドにもスポンサーを紹介し、ともに生きている喜びの輪を広げていきたいと心から願っている。

チャイルド・スポンサーシップ課 課長 目黒 由美子

この記事を書いた人

WVJ事務局
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NGOの仕事の裏側って?やりがいはどんなところにあるの?嬉しいことは?大変なことは?スタッフのつぶやきを通してお伝えしていきます。
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