【スタッフ・ブログ】国際NGO ワールド・ビジョン・ジャパン

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冷蔵庫のベンチ

画家であり詩人の星野富弘さんを訪問しお話しをお伺いする機会をいただき、3人のご友人とともに散歩をされるのに同行させていただいた。

稲刈りの終わったおだやかな風景の農道を進んでいると、道端に小さな洗濯機が捨てられていた。“こんなところに洗濯機を捨てるなんて、いったい誰が…”という私たちの思いを察した星野さんは、にこやかに口を開かれた。
「最初は、“こんなところに捨てて…”、と思ったのですが、これが散歩しているお年寄りのベンチになっているんですよ。その証拠に、上の面が汚れてないでしょ。」
横置きにされた洗濯機の上面を触ってみると、確かに汚れが無く、人が腰掛けておられる様子が想像できた。

11121202投棄洗濯機もベンチとして役立ってるんだな…”と、ちょっと関心しつつ道の角を曲がった風景の中に、今度は、壁面に立てかけるように捨ててある小さな冷蔵庫が目に入った。
「せめて横向きに捨ててあるとベンチになるのに」と話す私たち。
「じゃ、やりますか!」と星野さん。
その星野さんの笑顔に促され、私たちは小さな冷蔵庫をベンチとして使えるように横置きにした。
美しい景色の中の投棄家電。それが、私たちの目にもベンチに見えてきて、景色の中に溶け込んでいった。

「これからの世界を作るのは子ども達なので、子ども達には戦争の無い国、戦争無い世界を作ってほしいと思います。」と、チャイルド・スポンサーシップでご支援下さっている途上国の子ども達について語って下さった星野さん。
星野さんの目は、争いや貧しさが絶えないこの世界の中にあって、すでに平和な世界を見ておられるのでしょう。投棄家電にすら温かな視線をそそぎ、おだかやか風景の一部として見ておられたように。

星野さんのインタビュー記事はこちら。

この記事を書いた人

高木克巳
高木克巳マーケティング第二部 部長
関西大学卒業後、地質調査・井戸掘削会社および斜面保護・緑化会社に勤務。現場作業や土木施工監理技師として施工管理などを担当。
1992年に渡英し、グラスゴー・バイブル・カレッジに留学。
1995年に帰国し、ワールド・ビジョン・ジャパンに入団。
2000年度よりマーケティング部長(旧 国内事業部長)。
2015年度よりマーケティング第二部長。
2017年度よりサポートサービス部 教会パートナーシップ・コーディネーター。
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