【スタッフ・ブログ】国際NGO ワールド・ビジョン・ジャパン

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世界のクリスマス(2)~ウガンダのクリスマスと、難民居住地のクリスマス~

「クリスマスは一年の中で一番大きなイベント!」
クリスマスについて聞いてみると、スタッフはみんな口をそろえてこう答えます。
4月から駐在を始めた私はウガンダでのクリスマスをまだ経験をしたことがないのですが、キリスト教徒が8割以上を占めるウガンダでは、国中のいたるところでお祝いがなされるようです。

筆者と子どもたち。南スーダン難民が暮らすウガンダのビディビディ難民居住地にて

 

24日は夜の礼拝のために教会に行き、25日も朝からクリスマス礼拝。その後は家族や親族、コミュニティの人々を呼びあい、夜になるまでずっとご飯を食べ続けるそうです。この日のために少しずつ貯金をして、いつもよりも贅沢な料理をみんなでおなかいっぱい食べます。ここらへんはなんだか日本のお正月に似ていますね。

ここからはびっくりするところなのですが、夕食の後はなんと、家族でクラブやダンスホールに出かけるようです。子どもがいる家庭でも子どもを寝かしつけて、大人はナイトライフを楽しみます。
私もたまにスタッフの慰労のために事務所で夕食会をするのですが、必ずといっていいほど、どこからともなく大きなスピーカーが用意され、スタッフの1人がいつのまにかDJに様変わりし、激しいダンスの時間が始まります。民族によっては独特の伝統的なダンスがあり、それぞれのダンスを披露しあう場面もあります。アフリカ人は本当にリズムとダンスが好きなのだなと思わされる瞬間です。

そんな楽しいクリスマスを前にして、難民対応をしている私たちの事業地でも、他の団体さんを含め、多くのスタッフがクリスマス休暇の予定についてひそひそと話しをし始めています。スタッフたちがなんとなくそわそわしているなと感じるのですが、それは難民対応事務所らしい「スタンバイ」という制度があるためです。

もしかしたら年末に政変が起きて大量の難民がまた流入してくるかもしれない。そんな時に、スタッフがいないことを理由に緊急支援ができない体制であってはならない。このような理由から、クリスマスはもちろん、年末年始も家族から離れ、事業地でずっと仕事を続ける予定のスタッフが一定数います。私も年末年始は事業地をはなれる予定です。そのため、一年で一番大きなイベントを存分に楽しむことなく、事業地に残って働いてくれるスタッフにはとても感謝をしています。

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隣国の紛争から逃れてきた南スーダン難民にとっても、クリスマスは特別な日です。
北部のムスリムと、南部のキリスト教徒によって国が分かれた旧スーダン。独立を果たした南スーダンはキリスト教徒が人口の大部分を占めます。難民の人々もこの日は居住地内の教会に行き、礼拝をささげます。ウガンダ人と同じように、少しでも特別なお祝いをするためにわずかばかりの「贅沢」がなされるようです。日々のとても厳しい生活の中から、配布された食糧を少しずつ貯めたり、何かのビジネスで得たお金を少しずつ貯めておき、クリスマスに備えます。やはりダンスを楽しむ時間もあるようです。

2017年、英国で集められたクマのぬいぐるみをクリスマスプレゼントとして贈られ喜ぶ南スーダン難民の子どもたち。ぬいぐるみは、南スーダン難民の子どもたちのことを多くの人に知ってもらうため、英国で行われたキャンペーンにより集められた

2017年、英国で集められたクマのぬいぐるみをクリスマスプレゼントとして贈られ喜ぶ南スーダン難民の子どもたち。ぬいぐるみは、南スーダン難民の子どもたちのことを多くの人に知ってもらうため、英国で行われたキャンペーンにより集められた

南スーダン国内での紛争は、2013年の12月、まさにクリスマスを目前としたこの時期に勃発しました。その後、状況の好転・悪化を繰り返し、ウガンダを含め、避難先で難民となった人の数は200万人を越えます。クリスマスという特別な日に思いを寄せるとき、必然的に祖国の平和にも祈りが向かいます。

輝くイルミネーションを楽しむ人がいる一方で、電気のない月明かりの中、紛争による避難生活を余儀なくされている人がいることを少しでも覚えていただけると、現地事業担当者としてはとてもうれしく思います。
南スーダンの平和を願う何十万人にもよる祈りが、今年も私たちの事業地ではささげられています。

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この記事を書いた人

大井 光一
大井 光一ウガンダ駐在 プログラム・コーディネーター
早稲田大学法学部卒業。
エルサレム・ヘブライ大学法学修士(国際法・人権)修了。
国際人道法を中心に学ぶ。難民支援機関でのインターンを経て2015年1月に入団。2018年4月からウガンダに駐在し、南スーダン難民支援を担当。
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