【スタッフ・ブログ】国際NGO ワールド・ビジョン・ジャパン

Read Article

「知らないこと」を「知る」ということ-ウガンダの支援地より

事業地の道。雨が降ればぬかるみ、晴れれば土埃が舞うこの道を、フィールドスタッフはバイクで何十kmも走り働いています

事業地の道。雨が降ればぬかるみ、晴れれば土埃が舞うこの道を、フィールドスタッフはバイクで何十kmも走り働いています

現在、ウガンダ西部にあるキバーレ県に来ています。首都カンパラから6時間。緑にあふれた湿地が広がる中、雨でぬかるんだデコボコ道を進んで、ワールド・ビジョン・ジャパンがチャイルド・スポンサーシップによる地域開発プログラムを行っているこの地域までやってきました。

この状態の悪い道を毎日モーターバイクで駆け廻りながら事業を進め、子どもたちの様子をモニタリングしているフィールドスタッフたちに心から敬意を表します。

この地域は1990年代に大きく開墾が進み、都市部の人口増加であふれた多くの人々が移り住んできた場所です。当時はインフラなど人々が生活する最低限の環境が整っていなかったため、ワールド・ビジョンによる地域開発が始まりました。

早いプログラムではもうすぐ10年が経とうとしており、支援開始当初に比べると様々な変化がみられるようになったといいます。

地域の人々に「この支援が始まってから起きた大きな変化は何?」と聞くと、その多くが「知らなかったことを知った」と語ってくれます。

学校や診療所が建ち、井戸が掘られるなど、直接的・物理的な変化は分かりやすいですが、そこから一歩踏み込んで、知らなかったことを知る、気付かなかったことに気付く、そのことで行動を起こすことができる。これは確かに本当に大きな変化です。

例えば、ここには肥沃な土地が広がるのに、どうやって作物を育てたらいいのか分からない。収穫できてもどのように保存するのか分からない。そして、作物が余っても市場にもっていくという発想がない。この地域はそのような段階から始まりました。

訪問した農家、両親と子ども合わせて9人の大家族です。ちなみに写真中央の双子の男の子のうち弟の名前はKato。ここウガンダでは双子には特別な意味があるとして必ず決まった名前をつけるそうです

訪問した農家、両親と子ども合わせて9人の大家族です。ちなみに写真中央の双子の男の子のうち弟の名前はKato。ここウガンダでは双子には特別な意味があるとして必ず決まった名前をつけるそうです

ワールド・ビジョンの支援で大きく生活が変わったというある農家を訪ねました。たった3年間は何もない野原だったという土地。今はバリエーション豊かな作物が植えられた畑が整然と広がり、よくここまで頑張ったと感嘆するほどです。

パイナップルの合間を縫ってキャベツを植え土地の劣化を防ぐ術。収穫後のメイズを枯らしマルチにして、バナナの木の周りに敷き詰めることで、ほかの作物を生えさせず栄養を集中させる術-わたし自身、農業の知識はまったくありませんが、彼らの学びたいという熱意、吸収力、そして応用力にはすっかり脱帽です。

近くの町のマーケットではこの土地の豊かな収穫物が並びます

近くの町のマーケットではこの土地の豊かな収穫物が並びます

彼らの収穫物はバイヤーを通じて近隣の大きな町で売られるほか、最近ではWFP(国連世界食糧計画)が買い取り南スーダンの避難民キャンプで配布されているそうです。これらの収入を得ることで7人いる子どもたちも皆、学校へ通わせることができるようになり、今は煉瓦を自前で焼き家を新築することを夢見ています。得た機会と自らの努力を活かして、大きな流れに乗りだしているように見えました。

また小学校に足を運ぶ機会にも恵まれました。ここで出会った子どもたち、遠い日本から来たわたしに興味津々(でも本当に小さな子どもは初めてみる肌の色の違うアジア人に泣き出したり、逃げ出したり(笑))。

訪問した農家の畑。トレーニングで学んだことがしっかり活かされています

訪問した農家の畑。トレーニングで学んだことがしっかり活かされています

この小さな「出会い」がまだ知らない外の世界への興味を掻き立てる小さな機会につながるといいなぁと願いつつ、しばし彼らとの楽しい時間を持ちました。同時に彼らとの出会いで、わたしの中にもこれまで知らなかったこのウガンダという国、ここに暮らす人々がぐっと身近に感じられるようにもなりました。

自分の夢を生き生きと語ってくれた子どもたち!ナルウェヨ・キシータ地域開発プログラム内の小学校にて

自分の夢を生き生きと語ってくれた子どもたち!ナルウェヨ・キシータ地域開発プログラム内の小学校にて

「将来何になりたい?」「夢はなに?」これはわたしが現場で出会う子どもたちによくする質問です。子どもが夢をもつ。わたしはこれはとても大きな意味があることだと思っています。子どもたちの視野をどこまで広げられるか、そして将来的には選択肢を与えることができるか。それが教育でありワールド・ビジョンが進めている地域開発であると考えています。

振りかえればわたし自身、「将来の夢」を聞かれると少し戸惑うような子どもでしたが、人や出来事とのちょっとした出会いを通じて外から気づきが与えられ、知らなかったことを知るようになり、これまで一歩ずつ前に踏み出して来れたように思います。

支援地域の子どもたちもワールド・ビジョンとの出会いによって、すぐに変化は見られなくとも、彼らの中に何か小さな種が植えつけられる、そんなきっかけが作られるといいなぁと願っています。

 

クリスマスまでに、あと3000人の子どもを救いたい。
子どもたちの成長を支え、未来を一緒にひらいてくださる
チャイルド・スポンサーを募集しています。

 

 

 

この記事を書いた人

加藤 奈保美
加藤 奈保美
神奈川県生まれ。早稲田大学・同大学院理工学研究科にて、アジアの建築史について学ぶ。在学中に阪神淡路大震災でボランティアを経験したことから、防災や被災地支援がライフワークに。卒業後は建設コンサルタント会社に勤務。自然災害を中心とした国内外のインフラ事業に従事する。2008年6月、ワールド・ビジョン・ジャパンに入団。サイクロン後のミャンマー、大地震後のハイチで復興支援に取り組む。東日本大震災後は、一関事務所の責任者として岩手県に駐在した。2014年4月から、アフリカのスポンサーシップ事業を担当、現在は、支援事業部 開発事業第2課所属。2017年1月からネパール駐在。
Return Top