【スタッフ・ブログ】国際NGO ワールド・ビジョン・ジャパン

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見えにくいけれど大切なこと

「今は人の前で自分の意見を言うことができるようになりました!」

チャイルド・スポンサーシップを通してこれまでご支援いただき、2015年9月をもって支援終了を迎える、インドネシアのススカン地域開発プログラム(以下、ADP)で支援を受けていたエファちゃんのコメントです。

支援開始当初の地域の様子

支援開始当初の地域の様子

ススカンADPはインドネシアの首都ジャカルタ近郊に位置しています。支援活動は1996年に開始し、急激な経済成長や、アジア通貨危機などの目まぐるしく変化する環境の中で、多くの人口流入に伴う治安の悪化、若者たちの薬物使用、HIV/エイズの感染拡大に見舞われていました。もともと慢性的な貧困に苦しんでいる地域でしたが、急激な外部環境の変化により、簡単に極度の貧困に陥ってしまう状態にさらされていました。

チャイルド・スポンサーシップによるススカンADPは、地域の人々と相談をしながら、活動を計画、実施をしていきました。貯蓄グループを設立して住民自身が運営をしたり、環境が変化しても複数の収入源を得られるために様々なスキル(スナックお菓子の製造・販売、ケータリング等)研修を実施しました。

また、貧困世帯の子どもたちが学校に通い続けられるように、学費補助や教材支給を行うとともに、子どもの権利やHIV/エイズの危険性や予防について学ぶ「子どもフォーラム」を実施しました。このような活動は子どもたち自身が考えて、意志決定し、それを相手に伝えることをトレーニングする場にもなります。

最初にご紹介した、エファちゃんのコメントにも支援の成果が現れています。
「なぜそれが支援の成果なの?」と思われる方も多いかもしれません。一方、子どもたちに「ADPの支援で一番良かったことは何?」と尋ねると、多くの子どもたちが「人の前で話せるようになった」、「自分の意見を考えて、発表できるようになった」と答えてくれています。

実は、インドネシアに限らず、ほかの国のADPにおいても、「自分に自信が持つことができてとても嬉しい」といった子どもたちの感想が多く聞かれます。自分の意志・意見を考えることができ、尊重してもらえる環境がいかに大切かを、改めて思わされます。このような環境の中で育ってこそ、自分を大切にし、他者を大切にすることができるのかもしれません。

インドネシアのススカンADPで支援を受けていたエファちゃん

インドネシアのススカンADPで支援を受けていたエファちゃん

エファちゃんが身につけたものはこれだけにとどまるものではなく、回りに良い影響をもたらし、次の代にも伝えられていくものです。目に見えないこのような成果を数字や写真で実感していただくことは難しいですが、チャイルド・スポンサーの皆さまからのご支援は、こうした大切なところにも届いています。

9月に支援活動を終了するススカンADPから、長年にわたって支援を継続してくださった日本の皆さまへ感謝のメッセージが届いています。ぜひこちらの動画をご覧ください。

スポンサーサービス課 水上真理子

この記事を書いた人

WVJ事務局
世界の子どもたちの健やかな成長を支えるために、東京の事務所では、皆さまからのお問合せに対応するコンタクトセンター、総務、経理、マーケティング、広報など、様々な仕事を担当するスタッフが働いています。
NGOの仕事の裏側って?やりがいはどんなところにあるの?嬉しいことは?大変なことは?スタッフのつぶやきを通してお伝えしていきます。
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