「熱いハートと冷静な頭で仕事をする」これは、ともに働いていた尊敬する大先輩が言っていた言葉だ。また、今回新しい3カ年計画を作るにあたり、何度となく頭に浮かんだ言葉でもある。
今年度は、ワールド・ビジョン・ジャパン(WVJ)にとっては、新しい3カ年計画を作る節目の年である。そのためWVJでは、各部署からの5人のスタッフ+リーダーでチームを結成し、新計画を練ってきた。
普段、途上国とやり取りをしている支援事業部から2人、マーケティング部から2人、管理部門であるサポートサービス室から1人、副事務局長兼戦略企画室長がリーダー、という構成である。基本的によく発言するメンバーたちで、会議がシーンとすることは、あまり(まったく!?)なかった。
良くしゃべるメンバーたちではあったが、計画作成にあたっては、まずは各部署からの意見を聞くこととなった。
「途上国のためによりよい事業をするため、こんなことを提案します」
「ご支援者の皆さまに、もっと感謝を伝えたい!」
「いやいや日本の社会を変えていきたい」
「こんな団体に変わっていかないと!」
集まってくる熱い意見に、チームは思った。「ふむふむ、その通りだ!」
しかし、議論を進めていく上で、チームは考えた。それぞれの意見は筋が通っていても、たとえば同時に実施すれば効果が半減しそうなものもある。また、NGOとして、多くの方から委ねられたご支援を最大限に生かし、約束した活動を行うには、運営の効率性を考え、持続性のある団体運営に取り組むことも不可欠だ。
方向性を定め、意見を集約していく必要性がある。力不足を痛感しつつも、色々な方々のサポートを得ながら、チームは「冷静に」話し合った。「効果を考えると、こちらを優先すべきではないか」「それでは全体的に整合性が取れない。こちらの方向でしょう」
正直、こんな風に「冷静に」話し合い、「熱い」意見を取捨選択していくことに、「これで良いのかな」と罪悪感に似た思いを覚えることもしばしばであった。
しかしそんな時には、「熱いハートと冷静な頭で」この言葉をいつも頭に思い浮かべ、収支のバランスなども確認しつつ、計画を何とかまとめ、今にいたる。
WVJは日本において、25年以上も多くの方々に支えられてきた。それを考えると、感謝の気持ちでいっぱいだ。しかしそれは、25年以上、途上国に支援のニーズがあり続けた、という厳しい現実の裏返しでもある。WVJの新しい3カ年が始まろうとしている。「熱いハートと冷静な頭で」チームの格闘は、しばらく続く。
これからもご指導ご鞭撻、そして温かいご支援を、どうぞよろしくお願いいたします。
3カ年計画作成チーム(木内、佐々木、中島、堀切、水上、望月)
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