今年の11月は、急に寒くなったと思ったら、雪まで降り、気温の変化の大きさを感じる日々でした。
窓の外を見て暖かいと信じて家を出たら、青空とは裏腹に気温がとても低い日がありました。
4歳の娘(めーちゃん)と保育園に行く道すがら手に息を吹きかけつつ、
「今日はとっても寒いね。ママ、手袋持って来ればよかったよ」
とつぶやくと、すかさず娘が
「ママ、手をだして!」
と言いながらギュっとにぎってくれました。その手は、私よりもとても冷たくて、小さな手でしたが、娘の口から出てきた言葉は
「ママ、めーちゃんの手、あったかいでしょ?!」
でした。(ママの手の方が温かいよ…)と思いましたが(笑)、続けて
「めーちゃんのポケットに手を入れてもいいよ」
と満面の笑みで会話を続ける娘の優しさに、自分の小ささを反省させられました。
そんな数日後、訳あって夜中に調理していた時に包丁で指を切ってしまいました。朝起きるなり、バンソコウをしている私の指を見つけて
「ママ、どうしたの?!見せて!!」
と手をとり、ギュッと数秒握られました。(あぁ、この忙しい朝に!指は痛いから触らないで欲しいのに!)と心でつぶやきましたが
「ママ、めーちゃんがね、今、かみさまに、痛いのがなくなるようにって、おいのりしたから、もう大丈夫だからね!」
と言ってくれ、思わず涙が溢れました。
物でもなく、力でもなく、お金でもなくて、誰かを助け、支える力、人を想う力が人間にはあることを感じる時でした。
それは年齢に関係なく、ただ純粋に人を愛する力でした。
自分に対しても、子どもに対しても、できない事、できていない事、足りない事にばかり心が動いてしまう日々の中で、私にもできる事がある!と固く信じて実行する4歳の娘に教えられた出来事でした。
「育児は育自」恩師が教えてくれた言葉ですが、まさにその通り。
育児を通して教えられることばかりの毎日です。私はどこまで真剣に子どもと向き合い、子どもに心を合わせ、子どもを想うことができているのか…。と、問う日々です。
そして私には、もう一人の娘(チャイルド)がいます。エルサルバドルのエーちゃんです。
エーちゃんは、めーちゃんと生年月日が3日違いの上、夫と同じ誕生日、兄弟はお兄ちゃんがいるという我家と同じ家族構成。この情報カードを手にした時、すごい奇跡を感じて興奮したことを強く覚えています。
ぜひ、エーちゃんの家族とともに心を合わせて、彼女の健やかな成長を祈り、彼女の支えになりたいと。
そんなエーちゃんから、先日お手紙が届きました。文章は代筆でしたが、小さな手形が型取られ、青いクレヨンで塗られた絵がついていました。日本がどこにあるか分からなくても、遠い国に住む私を想い、大切なクレヨンで一生懸命に塗ってくれた姿を想像すると、胸が熱くなりました。
彼女は、幼稚園に通いつつ、家ではお人形遊びをして過ごしているそうですが、彼女の住むエルサルバドルのサンアグスティン地域は、犯罪組織による勧誘や恐喝が社会問題になっており、日々危険との隣り合わせと聞いています。遠く離れた地域にいる彼女の横に行って、手を差し伸べ、「大丈夫だよ!」と守ってあげることもできません。
でも、私にもできることとして、彼女を想い、神様が彼女の笑顔を今日も守ってくださるようにと祈りつつ、その成長を遠い日本から見守り続けていきたいと思っています。
めーちゃんとエーちゃんが大人になったとき、国を超えて互いに手を取り合い、愛と夢とを結んでいくことができる世界でありますように。
大古殿 美穂
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この記事を書いた人
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世界の子どもたちの健やかな成長を支えるために、東京の事務所では、皆さまからのお問合せに対応するコンタクトセンター、総務、経理、マーケティング、広報など、様々な仕事を担当するスタッフが働いています。
NGOの仕事の裏側って?やりがいはどんなところにあるの?嬉しいことは?大変なことは?スタッフのつぶやきを通してお伝えしていきます。
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