【スタッフ・ブログ】国際NGO ワールド・ビジョン・ジャパン

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「父の日」に寄せて。

ルワンダより、父の日に寄せて。
こんにちは。ルワンダ駐在の望月です。2016年の年明けに家族4人でルワンダに移り住み、約2年半が経ちました。小学校2年生と、4歳になる息子たちもルワンダの暮らしにすっかり慣れてきました。

ルワンダの子どもたちと望月スタッフ

ルワンダの子どもたちと望月スタッフ

アフリカ ルワンダで育つ息子たち
アフリカのルワンダに妻と小さな子どもを連れて駐在というと、日本の友人には驚かれたり、心配されたりしますが、子どもたちは大きな病気をすることもなく、元気に育ってくれています。駐在したばかりの頃は驚くことも多く、一度、家に毒蛇が出たことがありました。地元の人によると、「噛まれたら数分で死に至る」という毒蛇(実際にはグリーンマンバという蛇らしい)が家の中にいたのです。ちょうど、ルワンダ人スタッフがいる時で、大きな剪定バサミで頭を切り落として、事なきを得ましたが、息子たちはその時のことを武勇伝のようにいつまでも話していました。確かに、日本ではまずできない体験ではあります。

その後も家にサソリが出たり、南京虫に悩まされたり・・・、日本ではしなくていい苦労をかけたこともありますが、ここに連れてきてよかったな、と思う点もたくさんあります。

一番大きな点は、子どもが多様性の中で育っていること。日本の小学校は、みんな同じランドセルを背負って通学し、きちんと自分の席について勉強するのが当たり前ですが、ここルワンダでは、持っていくカバンも服も自由です。クラスにはルワンダ人も外国人もいて、肌の色も、髪型も、個性もそれぞれ。そんな多様性の中で、人はそれぞれ違うということを小さいなりに理解しているように見えます。日本とは違う環境の中で、自分は何が好きなのか、何がしたいのかを考え、周りの人と協調しながら、それを主張できるように成長して欲しいと願っています。

支援で採れたたくさんのとうもろこしと地域の人々

支援で採れたたくさんのとうもろこしと地域の人々

ルワンダでの支援活動
ルワンダというと1994年の大虐殺(ジェノサイド)のことを思い浮かべる方も多いと思います。国民同士の民族間の争いによって、わずか100日間に80万人以上が惨殺された悲惨な歴史があります。それから24年経った現在のルワンダは、そうした過去を思い出せないほど平和になり、「アフリカの奇跡」と呼ばれるほど驚異的な経済成長を遂げています。

一方で、車で30分も走ると、地方の農村には電気も水道も十分に整備されず、厳しい生活を強いられている人々が多くいます。ルワンダの主要産業は農業ですが、生産性の高い農作物の育て方の知識がないことや、せっかく育てても売るための手段や情報が得られず、うまく収入に繋げられないなどの課題を抱えています。

元来の真面目で実直な性格も手伝い、ルワンダの人々は一生懸命仕事に打ち込むのですが、このままだとなかなか貧困から抜けられず、地域の自立が難しいのです。私はここで、ルワンダの農村の人たちに向けた収入向上支援の働きを担当しています。モノを渡す支援ではなく、「いつか支援がなくなった時に、自分たちの力で立つことができる力」をつけるための支援です。

子どもたちの健やかな成長を目指すチャイルド・スポンサーシップの支援と、大人のための収入向上支援は、全く違うもののように聞こえるかもしれません。でも、子どもたちの保護者である大人たちが自分たちの手で十分な収入を得る生計手段を持つことができると、子どもたちは安心して学校に通い続けられます。十分な食事をとり、元気に成長し、進学することも可能になります。

 

支援によってご飯が食べられるようになり元気になったルワンダのクララちゃん(4歳)

支援によってご飯が食べられるようになり元気になったルワンダのクララちゃん(4歳)

息子たちを見るのと同じ思いで
ルワンダの子どもたちに将来の夢を聞いたことがあります。
「学校の先生になりたい」
「お母さんの病気を治してあげたいから医者になりたい」
子どもたちの無邪気な思いとは裏腹に、現実を考えると、進学して「先生」や、「医者」になるのはとても大変なことです。

でも、この子たちの夢をかなえてあげたい、と願うのです。それは、自分の息子たちが将来を夢見て、それを支えたいと思う親心と似た思いかもしれません。

この地域の支援活動は、日本の皆様に支えていただき、今日まで続けることができました。でもまだ今後も、引き続き支援は必要な状況です。子どもたちの成長を見守り、継続的に支える支援をあなたも始めていただけないでしょうか?

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この記事を書いた人

望月亮一郎支援事業第1部 部長
神戸大学国際協力研究科地域協力政策専攻修了。民間企業を経て、外務省専門調査員在ザンビア日本大使館にて勤務。同国の経済動向の調査および援助協調を担当。その後、JICA専門家としてマラウイ財務省において開発援助プロジェクトのモニタリング能力向上のための技術協力を行う。2011年3月にワールド・ビジョン・ジャパンに入団。東日本大震災緊急復興支援部で緊急支援を担当。2012年7月より支援事業部において、ベトナム、東ティモール、マラウイを担当。2015年10月から2018年9月までワールド・ビジョン・ルワンダ駐在。帰国後はアフリカ地域のプログラムを担当。2023年9月より支援事業第1部 部長として事業の管理に従事。
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