【スタッフ・ブログ】国際NGO ワールド・ビジョン・ジャパン

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グローバル教育レポート:サマースクール参加者の「その後」

サマースクール参加者との嬉しい再会

皆さん、こんにちは。グローバル教育担当の松本です。
「サマースクール」という夏休みの小学生向けイベントを担当させていただくようになって10年目を迎えます。参加してくれた子どもたちは、今どうしているのだろうと思うことがあります。すぐに大きな変化はなくても、大きくなって世界に目を向けた時にサマースクールで体験したことが何かつながったらいいなと願って取り組んできました。

そして、ついに!「小学生の時にサマースクールに参加した」という高校生、小倉くんと再会する機会がめぐってきました。
小倉くんが通っている高校の文化祭で取り組みたいと考えている企画について、相談したいとお問い合わせをくださったのです!
事務所に来ていただき、お話を伺うことになりました。

2011年のサマースクールに参加してくれた小倉くん(左から2番目)と世界の子どもたちについてレクチャーする筆者(中央)

2011年のサマースクールに参加してくれた小倉くん(左から2番目)と世界の子どもたちについてレクチャーする筆者(中央)

忘れられない、水汲み体験のインパクト

ご両親がチャイルド・スポンサーシップの支援をしてくださっていた小倉さんご家族。ご子息のりん君は小学生の時にワールド・ビジョン・ジャパン(WVJ)が主催する夏休みの小学生向けイベント「サマースクール」に参加してくれました。当時を振り返り、「父は仕事が忙しく、二人で出掛けるというのが珍しいことだったので、サマースクールに連れて行ってもらったことは記憶に残っています」とのこと。
「水汲み体験をして、タンクがとても重かったことは覚えています。子どもながらに、このタンクは持って歩けないなと思いました」と、嬉しい反応をいただきました。やはり、体験活動はインパクトがあったようです。

水汲み体験で重さを実感

水汲み体験で重さを実感(2018年サマースクール)

生徒会の広報委員長として

事務所でお話をうかがう際、小倉くんが小学生だった時にサマースクールに参加した時の写真もお見せしました。

2011年のサマースクール。右から3番目が小倉くん

2011年のサマースクール。右から3番目が小倉くん

グループごとに「自分たちにできること」を発表している様子を指さしながら、「この頃は人前で発表するとか恥ずかしかったんですよね」と振り返ります。そんな恥ずかしがり屋さんだった小倉くんは、高校生になり、なんと生徒会に立候補し、広報委員長になられたのです。そして、文化祭の企画として、途上国の子どもたちを取り巻く課題を写真パネルや掲示物で紹介し、ご自身がサマースクールで体験された「水汲み」の体験コーナーを設けてアピールし、ドリンク販売の売り上げチャイルド・スポンサーシップの支援を始めたいと考えてくださったのです。企画書を持ってWVJ事務所を訪れてくださった小倉くんの姿は、サマースクールに参加した恥ずかしがり屋さんとは、かけ離れて大きく成長していました。

学校としてチャイルド・スポンサーシップによる支援を開始!

文化祭での取り組みは大成功。目標としていたチャイルド・スポンサーシップの支援をスタートしてくれました。さらに活動を持続していくために後輩の米倉くんも連れてWVJ事務所に来てくれました。二人にいくつか質問してみました。

松本:「文化祭でそのような企画をされたのは、なぜですか?」
小倉くん:「やはりチャイルド・スポンサーシップの支援をしていた父の影響が大きいです。父自身が自分の道を切り開いてきた歩みがあって、それが支援の動機になっているし、僕自身にもできる限りのことをしてくれました。高校1年の時は忙しかったが、2年になって自分にできることを考えた時、高校生のうちから、僕も途上国の子どもたちにチャンスを届けることに貢献できたらと思いました」
米倉くん:「楽しそうに頑張っていたのでサポートしたいなと思いました」

松本:「実際に文化祭で取り組んでみて、まわりの反応はいかがでしたか?」
小倉くん:「みんな思っていたより、自分が恵まれた環境にいる、ものを持っているという感覚を理解していないとわかりました。逆に同世代ではなく、文化祭に来てくださった来場者の方で特に戦争を経験された世代の方が関心を示してくださることがありました。文化祭の中で大きな企画としてやっていくには難しさも感じたが、閉会式で校長先生にコメントの中で取り上げてもらうことができ、手応えを感じることができた」
米倉くん:「活動を知って、声をかけてくれる人や来てくれる人がたくさんいて嬉しかったです」
小倉くん:「募金額として1人の子を1年間サポートする金額が集めることができました。今後は一般の高校生が興味を持ちやすい、関わりやすい企画を行えたらと思っています。去年は募金目標を優先したが、今年はそれに加え、国際理解として自分たちの状況が恵まれているということを理解するということにも力を入れていきたいと考えています」

二人のチャレンジは続きます。9月の文化祭に向けて、準備に奮闘中です。

高校生になった小倉くんと後輩の米倉くん

高校生になった小倉くん(右)と後輩の米倉くん

グローバルキッズは、リーダーとなって世界へ…!

小倉くんの活動は今年の1月、ついに世界へ広がりました。

生徒会や他校との交流など大活躍

生徒会や他校との交流など大活躍

日本全国から選抜された高校生10名をジュニア・フェローシップとして3週間アメリカへ派遣する取り組みに応募し、見事に選ばれたのです。トレーニングを経て初めての海外。現地の同世代との交流やグローバルに活躍する人々から大いに刺激を受けたそうです。小倉くんは世界の人々とのつながりを視野に入れた将来のビジョンを描いています。

サマースクールでゴールとして掲げる「グローバルキッズになろう!」を体現してくれた彼との出会いは、10年目のサマースクールを控える私に大きな喜びを与えてくれました。「世界のお友だちを大切にし、お互いに助け合い、行動を起こすグローバルキッズ」、小倉くんは「キッズ」から「リーダー」になっていました。

1回のサマースクールでできることは限られていますが、体験したり、見たり、聞いたり、感じたり、考えたりする、そんな時間をたくさん作っていきたいと思います。
これからもたくさんの「グローバルキッズ」が誕生することを願っています。

 

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【関連ページ】
ワールド・ビジョン・ジャパンのグローバル教育
サマースクール2018 開催報告
世界の子どもたちのことを伝えよう

【松本スタッフの過去のブログ】
グローバル教育レポート あの人は今
「今、私にできること」~あなたの「え!?」が聞きたくて~

この記事を書いた人

WVJ事務局
世界の子どもたちの健やかな成長を支えるために、東京の事務所では、皆さまからのお問合せに対応するコンタクトセンター、総務、経理、マーケティング、広報など、様々な仕事を担当するスタッフが働いています。
NGOの仕事の裏側って?やりがいはどんなところにあるの?嬉しいことは?大変なことは?スタッフのつぶやきを通してお伝えしていきます。
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