【スタッフ・ブログ】国際NGO ワールド・ビジョン・ジャパン

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チャイルドに会うという体験

皆さま、こんにちは!法人・特別ドナー課に所属する清海(きよみ)と申します。
3月にフィリピンのサマール地域開発プログラムによる支援地域を訪問する機会があり、私がチャイルド・スポンサーシップを通して支援している「チャイルド」に会うことができましたので、その体験をご紹介したいと思います。

チャイルドに会う前に

私が個人的に支援をしている「チャイルド」は、フィリピンのジョナリンちゃん、14歳の女の子です。難聴の障がいがあります。
ジョナリンちゃんに会うにあたり、やはりプレゼントを何にするか一番悩みました。準備する前に、まず彼女から届いた手紙と成長報告を見直しました。私からの手紙は年に一度、ワールド・ビジョン・ジャパン(WVJ)が用意したバースデーカードを1通出すという程度でしたが、彼女の将来の夢や好きなことを再度確認しました。何がいいのか全然わからず、忙しい毎日の中で、なかなか決められませんでした。

結果、今回私が用意したプレゼントは、手紙、ペンとペンケース、ノート、Tシャツ1枚、私とおそろいのマグカップ1個です。お母さんへ石けんと手ぬぐい、お姉さんへ小さいポーチ。これまでの手紙や成長報告のよるとお父さんとお兄さんがいるとのことでしたが、現在の状況はよくわからず、何も用意できませんでした。チャイルドに会うことは楽しみでありつつも、少し緊張し、準備に焦る日々を過ごしました。

訪問前、成長報告(APR)を見直し準備しました

訪問前、成長報告(APR)を見直し準備しました

チャイルドはすぐにわかりました!

いざ、面会当日を迎えました。ジョナリンちゃんが住むコミュニティの集会所で、10~15人くらいの地域住民が集まっていましたが、その中でジョナリンちゃんはすぐにわかりました。目があったときに「あなただね!」と思いましたが、ジョナリンちゃんはその時点で私がスポンサーとはわからなかったようでした。
実際の面会が始まり、いくつか質問をしました。といっても複雑なことは聞けず、ジョナリンちゃんも緊張していてあまり多くは話しません。表情も固く、どうしていいかわからなくなり、「プレゼント用意してきたよ!」と話題を変えました。「一番のプレゼントはこのノート」と言ってノートを手渡しました。そしてページを開いたら、なんとポロポロと涙を流し始めたのです。

ノートを開いて自分の写真を見た瞬間、涙を流し始めたチャイルド

ノートを開いて自分の写真を見た瞬間、涙を流し始めたチャイルド

私は、ノートの最初の数ページに、これまでもらったジョナリンちゃんの写真のコピーを古いものから順に張り付けてアルバムにしました。私には当然のように生まれた頃からのアルバムがありますが、ジョナリンちゃん自身は自分のアルバムを持っていないだろうと思ったからです。アルバムがあるということは、誰かが自分の成長を大切に思ってくれる、チャイルドにそんな思いを感じてほしいと思って準備しました。
ですが、まさか、写真をカラーコピーして貼り付けたノートを見て、あんなに感激してくれるとは夢にも思っていませんでした。悪いことをしたのではと心配になるほどでしたが、少ししてから小さな声で「Happy(うれしい)」と言ってくれました。

あまり話はできませんでしたが、彼女を大切に思う気持ちが少しでも通じたのかなと思ったら私もうれしくて泣いてしまい、その場にいるお父さん、お母さん、WVスタッフ、コミュニティボランティア、全員でもらい泣きをしてしまったという感動的な面会となりました。

数ページの写真を何度も何度も見てくれました

数ページの写真を何度も何度も見てくれました

面会にはお父さん、お母さんも同行してくださいました

面会にはお父さん、お母さんも同行してくださいました

チャイルドがくれた絵。これを見たとき色鉛筆をプレゼントすればよかったと反省

チャイルドがくれた絵。これを見たとき色鉛筆をプレゼントすればよかったと反省

訪問後に思うこと

面会後は胸がいっぱい、何も考えられないくらいでした。「やりきった感、満載」とはこのことです。ジョナリンちゃんにあれもあげたかった、これも聞きたかった、後からいろんなことが頭をよぎりました。それから、ジョナリンちゃんとの出会いに感謝しました。面会した日の夜、そしてフィリピンにいる間は感動の余韻が残りました。その後、日本に帰国し、また慌ただしい日常に戻ると、だんだんと支援地域が遠く感じるようになり、感動も薄れてきます。
私は幸いに周りの同僚に話す機会があり、感動を分かち合うことができました。これからジョナリンちゃんへ、今回一緒に撮った写真を送って、あのアルバムの次のページに貼ってもらおうと思っています。

名残惜しくも短い面会時間が終了しました

名残惜しくも短い面会時間が終了しました

私自身、これまでに何度か支援地訪問ツアーにスタッフとして同行し、支援者とチャイルドの面会に立ち会ってきました。チャイルドに会うために行ったことのない国へ行くとご決断いただいてから、チャイルドは何を喜ぶかと毎日考え準備する日々、そして面会、その後に続く日常と、こんなふうに支援者の方も体験するのかなと、少しですが実感することができたことは、私の、途上国の子どもたちと支援者の皆さまをつなぐ仕事において大きな体験となりました。

またすぐには会えなくても、ジョナリンちゃんは家族や友だち、WVスタッフの愛情に囲まれ、今日も元気に暮らしている、そう思うと安心します。そして今日も元気でいますようにと祈っています。

法人・特別ドナー課 清海

 

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突然の悲しいお知らせ

この記事を書いた人

WVJ事務局
世界の子どもたちの健やかな成長を支えるために、東京の事務所では、皆さまからのお問合せに対応するコンタクトセンター、総務、経理、マーケティング、広報など、様々な仕事を担当するスタッフが働いています。
NGOの仕事の裏側って?やりがいはどんなところにあるの?嬉しいことは?大変なことは?スタッフのつぶやきを通してお伝えしていきます。
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