【スタッフ・ブログ】国際NGO ワールド・ビジョン・ジャパン

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支援地からチャイルドがやって来た!仰天ニッポン滞在記(2) ~フィリピンチャイルド、初めての企業訪問~

 

まだ夏の暑さの残る9月のある日。九段下で地下鉄を降り、地上に出て、首都高速道路の下を数分歩く。目の前には太陽の光を反射する高層ビル。
フィリピンからやってきたチャイルド、ラヴリーちゃん、アメリカちゃん、サイモンくんは、ビルを見上げて、大きく息を吸い込んだ。その日は、3人がある企業の社員の皆さんを表敬訪問する特別な日だった。

記念撮影。前列右端が筆者

記念撮影。前列右端が筆者

訪問先は、2015年から、社員の皆さんが手紙翻訳ボランティアとして協力してくださっているジョンソン・エンド・ジョンソン 日本法人グループ(以下、ジョンソン・エンド・ジョンソン)さま。同社では毎年ボランティア月間を設けており、4年目となる今年は、2カ月間に63人の社員の皆さんが参加し、チャイルドからの手紙1009通を翻訳いただいた。

訪問当日の朝、事前説明も兼ねて3人のチャイルドたちと宿泊先ホテルで打ち合わせ。
「ジョンソン・エンド・ジョンソンって聞いたことある?」と彼らに聞くと、「知っているよ!ママが使っているよ!」「学校にもあるよ!」と、途端にいくつかの商品名をあげてくれた。彼らにとっても身近な企業名のようだ。

3人で描いた日本とフィリピンの平和の架け橋の絵を説明するラヴリーちゃん

3人で描いた日本とフィリピンの平和の架け橋の絵を説明するラヴリーちゃん

ワールド・ビジョン・ジャパンでは、チャイルド・スポンサーシップを通して21カ国(2017年度現在)を支援しているが、年間約5万通の手紙がチャイルドからチャイルド・スポンサー宛に送られてくる。

翻訳を希望されるチャイルド・スポンサーの約7割の方には、チャイルドの言語→英語→日本語の3通をお届けしている。その翻訳をボランティアで担ってくださっている方々が日本全国で約300人いること、これから訪問する企業では、社員の皆さんが、お昼休みや夜、休日を使って翻訳をしてくださっていることを伝えると、チャイルドたちは真顔になってうなずいた。

さて、ジョンソン・エンド・ジョンソンに到着してロビーで待っていると、すぐに社会貢献委員会マネジャーのIさんが温かい笑顔で迎えに来てくださった。Iさんの笑顔を見て、チャイルドたちの緊張した表情が少し和んだ。

初めて入る日本の企業。人もシステムも地下鉄も全て整然と進む東京の様子に彼らは出発直後から驚嘆していたが、入館するときも、地下鉄の改札口のようなゲートがあり、一人ずつセキュリティ・カードをタッチして入るシステムに、チャイルドたちは目を見開き、互いに目を見合わせながら驚き、応接室まで促されるままに歩いた。彼らの心臓の鼓動が隣にいる私にも聞こえてきそうだった。

しかし、いざ、話す時となると、チャイルドたちは笑顔で、堂々と雄弁に語り始めた。「こんにちは、わたしはラヴリーです。15歳です」朝、ホテルの部屋の中で何度も練習していた日本語での自己紹介も上手に言えた。

アメリカちゃんが大切にしているチャイルド・スポンサーからのお手紙やカード

アメリカちゃんが大切にしているチャイルド・スポンサーからのお手紙やカード

アメリカちゃん(15歳)は、日本のチャイルド・スポンサーから届いた手刺繍の日本地図を見ながら日本にあこがれたこと、桜や富士山の写真を見て、いつかこの木や山を見たいと思ったこと、特に2013年の台風ハイヤンの後に届いた手紙にはどれだけ慰められ、励まされたかを話してくれた。

サイモンくん(15歳)も、Student Government(日本の生徒会のようなもの)で、ワールド・ビジョンのライフスキル学習を通して得た決断力をどのように生かしているかを熱く語った。

彼らの言葉、いや、彼らの存在そのものが、その場にいる全員の心に迫ってくるようだった。もはや、ビルを見上げて固唾を吞んでいた彼らの姿はどこにもなかった。そこいるのは、希望と可能性に満ちた子どもたちの姿であり、次の世代のリーダーたちの姿だった。

アメリカちゃんがもう一度語った。
今朝、皆さんのように私たちチャイルドの手紙を無償で翻訳してくださる方がいらっしゃることを聞いて本当にびっくりして感動しました。これは私だけではないと思います。世界中のチャイルドを代表して、皆さんに感謝したいと思います。皆さんのような方がいらっしゃるから、私たち世界中の子どもたちの人生が変化しているのです。皆さんは私たちにチャンスをくださったのです。本当にありがとうございます

ジョンソン・エンド・ジョンソン社会貢献委員会の皆さんとの懇談のひととき

ジョンソン・エンド・ジョンソン社会貢献委員会の皆さんとの懇談のひととき

質疑応答の最後に、社員の皆さんが「私たちに何か質問はありますか?」と聞くと、チャイルドたちは、にっこり笑って、「あなたのお名前と意味を教えてください」とお願いした。
実は、来日後にワールド・ビジョン・ジャパンのスタッフと互いの自己紹介をした時、日本人の名前は覚えにくいため、意味の説明をしていた。たとえば、女性の名前で「子」が付くのは「child」という意味で、私イクコは、Child of sweet fragrance of flowers、事務局長のマリコはChild of the truthのように。
その話を覚えていた彼らは、その場の一人ひとりに「あなたは?」と興味津々に質問。

Child of eternal beauty(クミコ)、 Generosity(タカヒロ)、一人ひとりの名前を教えてもらうたびにチャイルドたちは歓声をあげた。その場にいた全員にとって心温まる交流のひと時となった。 

後日、Iさんから嬉しいメールが届いた。メールの最後は「チャイルドとチャイルド・スポンサーの架け橋となるお手紙の翻訳をお手伝いできていることをとても誇りに思う時間となりました」と結ばれていた。

こちらこそ。私たちワールド・ビジョン・ジャパンのスタッフも、チャイルド・スポンサーの皆さん、ボランティアの皆さん、そして現地スタッフ、現地ボランティアの皆さん、そして、チャイルドとその家族、地域の皆さんと一緒にこの活動が進められることを光栄に思っています。

マーケティング第2部 今村 郁子

“何もかも”はできなくとも、“何か”はきっとできる

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WVJ事務局
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