国際NGO ワールド・ビジョン・ジャパンのスタッフブログ

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入団のきっかけ~私を襲った4つの災難

人間誰でも、それまでの人生を振り返った時に、良くも悪くも「もし、あの時ああいうことが起こらなかったら、自分の人生はもっと違うものだったろう」と思うような出来事がいくつかあるのではないだろうか。

その時にはそれが将来自分にどんな意味を持つようになるか、あるいは自分をどんな場所へ連れて行く結果になるかなど思いもしない。ただ振り返った時にあれが分岐点だったのだと分かるのだ。

そのことを考える時、人生は不思議な巡り合わせだとしみじみ思う。そこで今日は私がワールド・ビジョンで働く遠因になったと思われる4つの災難についてお話したいと思う。

町の床屋さん

町の床屋さん

その昔、私は仕事を辞めてバックパックをかついで世界旅行に出た。1年程度の予定だったが、世界は私の想像以上に広く、驚きに満ちていて、旅は4年に及んだ。
履歴書には書けない謎の空白期間になり、その後の就職活動ではいつも私の足を引っ張ったが、多くの出会いと様々な学びにあふれ、人間の文化の豊かさと社会の多様性に圧倒され続け、私にとっては一生の宝物のような時間になった。
これは、その旅の4年目のわずか2カ月間に起こった出来事である。

最初の災難は今思えば何とも可愛いものだった。
とある国を放浪中、私は幻の鳥と言われる希少な鳥を見に国立公園へ行き、山小屋へ泊った。夜、寝ていると手足や背中の表面をジワ~ッと何かが這い上がってくる感覚があった。
ああ、また来たよ、と寝ぼけた頭で考えた。旅の間に何度もこの感覚を経験してきたのだが、これは毛布やマットレスに巣食っているダニだかノミだかシラミだか、とにかくそういうあまりありがたくない虫が血を吸いに動き回っている印らしく、次の日はたいてい噛まれた(刺された?)跡がポツポツと赤く腫れ上がって、痒さに体を掻きむしる羽目になる。
翌日、案の定、赤く腫れ上がった部分がくっきりと星座のように浮かび上がっており、私はボリボリ体を掻きながら山小屋を後にした。

通学途中の子どもたち

通学途中の子どもたち

いつもだと、2週間くらい痒さに悩まされながらもそれで終わってしまうのだが、今回やや様子が違ったのは、どうやらそのダニだかノミだかは私の服に卵を産み付け、しかもそれが手持ちの服の中で増殖してしまったらしいことである(ちなみに卵の状態だと洗濯しても死なず、しかも繊維に入り込んで容易に取れないらしい)。
噛まれた跡は毎日加速度的に増えていき、気づくと全身が星座どころか銀河系のようになっていて、私は痒さにのた打ち回った。さすがに耐えられなくなった私は4年目にして初めて海外旅行保険を使って皮膚科に行った。
処方された薬のお陰で、1週間ほどするとようやく痒さは収まった。手持ちの服を全部丸一日水に漬けるということを数日ごとに繰り返し、ついに虫も全滅した。やれやれ、とほっとしたが、それが悪夢の序章だったとは、当時の私は知る由もなかった。

(その2に続く)

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