【スタッフ・ブログ】国際NGO ワールド・ビジョン・ジャパン

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南スーダン:子どもたちへの空からの贈り物

突然ですが、クイズです。

これは何の写真でしょう?

空からのプレゼント

何の写真でしょう?

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正解は…。

「エア・ドロップ(Air-drop:空中投下)で食糧支援を行っている」写真です。

エア・ドロップは、戦場や災害地など、治安上の理由で外部の人が入れない地域に、空から物資を届ける手法です。所要の地点を予め定め、パラシュートで必要な物資を空中投下するこのやり方は、第二次世界大戦中に最も多く活用されました。最近では、ハイチやシリアでエア・ドロップによる食糧や生活物資の配給が実施され、ニュースにもなったことから、ご存知の方も多いかもしれません。

エア・ドロップで落とされた支援物資(食糧)を回収している様子

エア・ドロップで落とされた支援物資(食糧)を回収している様子

安全に危険地へ物資を届けることができるというメリットがある一方で、デメリットもあります。

飛行機のレンタル料や維持費、燃料費などが膨大にかかるにもかかわらず、重量制限で運ぶことができる食糧が限られます。加えて天候によっては落下地点がずれてしまい、届けなくてはならない場所に届かない可能性があります。さらに、落ちた物資を再度かき集める必要があり、効率的な物資配給とは言えません。

外に散ってしまった穀物をかき集め、袋に詰めなおしている様子。空から落ちた衝撃で、袋の中身が散ってしまうことがよくある

外に散ってしまった穀物をかき集め、袋に詰めなおしている様子。空から落ちた衝撃で、袋の中身が散ってしまうことがある

滑走路が使える場所では、支援物資を飛行機に積み込み、被災地の空港まで届ける通常の空輸が可能です。例えば冷戦期には、周囲を東ドイツに囲まれ、外の世界から閉ざされてしまった西ベルリン住民に対し、西側諸国が食糧や生活物資を空輸していました。空輸の方が、確実に物資を届け、その場ですぐに配布することができます。しかし、滑走路がない場所では空輸ができません。つまり、エア・ドロップは滑走路がない場所で必要物資を人々に届ける最終手段なのです。

支援物資(食糧)の回収が完了し、配布準備が整った時の様子

支援物資(食糧)の回収が完了し、配布準備が整った時の様子

ワールド・ビジョンは、紛争が続き、通常の輸送手段では支援を届けられない南スーダンのアッパーナイル州で、エア・ドロップを用いた食糧支援を行っています。南スーダンでは、長引く内戦で農地は荒廃し、交通網は打撃を受け、干ばつの被害もあり、物価が高騰しています。この影響で、国民の多くが国内外に避難しており、食糧不足は非常に深刻です。

エア・ドロップで届けられた食糧を受け取る人々

エア・ドロップで届けられた食糧を受け取る人々

2017年2月に南スーダンで宣言された飢きんは、収穫期を迎えて一旦改善されたものの、今なお人口の45%にあたる480万人が食糧危機に直面していると推計されています。特に紛争が激しいアッパーナイル州を含む北部では、食糧不足は極めて深刻です。収穫期に貯蓄された食糧が尽きる2018年前半には、再び飢きんが再発する危険性があると、国連機関は警告しています。

エア・ドロップで届けられた食糧が配給された後、散ってしまった穀物の余りを探している子どもたち

エア・ドロップで届けられた食糧が配給された後、散ってしまった穀物の余りを探している子どもたち

食糧が手に入らない日が続き、味も栄養もない葉っぱや草で飢えをしのぐ日々。低栄養は、様々な病気の発症リスクを上げることになり、特に幼い子どもたちにとっては命に関わる問題です。乳幼児期の栄養不良は身体や精神の健やかな発達を阻害し、学校の成績や大人になった時に職業の選択肢が限られ、収入低下にも影響すると言われています。

 

食糧不足は、子どもの健全な成長を阻み、ひいては国の平和、安定、発展にも悪影響を与えます。食糧を得るために、子どもが兵士になることを選ぶことさえあるのです。

食べることは、生きること。

食を通して、今ある命を明日へつなげる。

受けとった食糧を、川を渡って家へ持ち帰る男性

受けとった食糧を、川を渡って家へ持ち帰る男性

世界でも最も支援の届きにくい場所に暮らす人々に食糧を届けるため、ワールド・ビジョンの「水と食糧のための募金」に、ぜひご協力いただければと願っています。

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子どもたちに生きる糧を届ける、「水と食糧のための募金」にご協力ください。
【詳しくはこちら】

この記事を書いた人

岡田 航
岡田 航支援事業部 プログラム・コーディネーター
大学在学時に1年間休学し、タイのミャンマー難民キャンプでインターンを経験。大学卒業後、サセックス大学大学院(イギリス)で教育開発を専攻。平和構築と教育、難民教育を中心に学ぶ。国際機関でのインターンを経て、2017年4月にワールド・ビジョン・ジャパン入団。
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