【スタッフ・ブログ】国際NGO ワールド・ビジョン・ジャパン

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ドイツG8サミット訪問最終日 6/8(金)

6月8日(金)

コンサート会場にWVドイツがブースを出していて、そこでのアドボカシー担当のEkki(ヱキ)さんと 

コンサート会場にWVドイツがブースを出していて、そこでのアドボカシー担当のEkki(ヱキ)さんと

ドイツG8サミットが最終日を迎えました。発表予定のコミュニケ案がメディアに回り始めています。NGOの側もいろいろな角度からコメントを出しはじめました。環境問題、気候変動問題を中心に活動しているグループからは、次のようなコメントが出されました。

「先ほど発表された気候変動問題に関する宣言をみる限り、残念ながら、各国首脳達が、気候変動問題の解決に向けて十分な努力を開始したとは言い難い。首脳達は、2050年までに世界全体で温室効果ガスを半減する約束を、一丸となって行うことができなかった。また、この約束を掲げたEU諸国、カナダ、そして日本も、具体的な基準年を明言しないことで、自らの大きな責任を曖昧なものにしてしまった。・・・・・・気候変動を解決するために提案されていたエネルギー効率の数値目標なども、合意文書から、まったく姿を消してしまった。

しかしながら、私たちは、G8の首脳達が、現在すでに確立している国連気候変動枠組み条約のプロセスを、気候変動問題解決のための交渉の場として再確認し、すべての国々が議論に参加することを前提としたこと、このプロセスにおいて2009年までに京都議定書の第一約束期間の次の枠組みについての合意を行うことを明確にしたこと、同時に、ロシア、米国を除く国々の首脳達が、気候変動問題の解決に向けた長期目標について、新しい決意を世界に向けて表明し たことを歓迎する。また、このような結果をもたらした、欧州の国々、とりわけ主催国であるドイツのメルケル首相のリーダーシップを高く評価し、また、気候変動問題の解決という、新しい役割に挑戦した日本の安倍首相の姿勢についても評価したい。」

ワールド・ビジョンもHIV/AIDSへの支援を中心にコメントを準備中ですが、今回のサミットでは、HIV/AIDS支援に関しては具体的な進展はほとんど見られませんでした。

いよいよ来年は日本でサミットが開催されます。それまでにワールド・ビジョン・ジャパンとしてどのような準備をすべきか、また、日本のNGOや市民社会が世界を見据えて、最も弱く、貧しい人々への支援のために何ができるのか、私たちの力量が問われていると感じています。

この記事を書いた人

片山信彦 理事長ワールド・ビジョン・ジャパン理事長
大学卒業後、三井住友海上火災保険株式会社(旧大正海上火災)入社。1982年同社を退職し、キリスト者学生会(KGK)の関東地区主事となる。海外との文化交流事業、日本人学生の海外派遣事業、在日留学生の支援事業等も行う。フィリピンにおける2カ月間の研修および中国、タイ、インド、インドネシア等の視察を行う。
1992年同会を退会し、特定非営利活動法人ワールド・ビジョン・ジャパン入団、2000年から2017年まで事務局長。2017年4月から常務執行役員、常務理事などを歴任。2023年10月より現職。
その他の役職: 社会福祉法人キングス・ガーデン東京 理事長
公益財団法人国際開発救援財団 理事
福音主義医療関係者協議会 顧問
1999年イギリス マンチェスター大学大学院IDPMにて「社会開発」と「NGOマネージメント」を学ぶ。
2020年 立教大学大学院キリスト教学研究科修了(神学修士)
共著:「連続講義 国際協力NGO」(日本評論社)、「国際NGO が世界を変える」(東信堂)
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