【スタッフ・ブログ】国際NGO ワールド・ビジョン・ジャパン

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ドイツG8サミット訪問 6/7日

6月7日(木)

コンサートの様子

コンサートの様子

今日のハイライトはコンサートです。ロストックから電車で20分ほどにあるIGA Parkという公園でコンサートは開かれました。晴天だったこともあり約7万人が集まった一大コンサートになりました。コンサート中は、いろいろなバンドが出演しますが、合間に途上国の様子を紹介するビデオが流れたり、出演者がアフリカや飢餓に対するメッセージを語ったりして、コンサートというより啓発的なイベントと言ったほうがふさわしい感じさえします。出演者も、ドイツのグループだけでなく、アフリカのシンガーやグループもいて多様です。セネガルの歌手で、ユーソン・ヌ・デュワーさんの歌には思わず涙ぐみました。アフリカの苦悩と希望を深く、豊かな声で歌い上げます。会場もシーンとなり彼の歌に聞き入っていました。その後ボブ・ゲルドルフがドイツのバンドと一緒に歌った後、ボノが登場しました。ボブ・ゲルドルフもボノも世界の貧困問題解決のためにいろいろな所でコンサートを開き、世界中に大きな影響力を持っている人です。実はこの二人は、今日、G8サミットの期間中にもかかわらず、ドイツのメルケル首相と面談しています。そこで、G8諸国の貧困撲滅へのより大きな働きかけを訴えています。ボブ・ゲルドルフがギターを弾き、ボノとユーソンさんと3人で何曲か歌いました。途中でG8の各国首脳のお面をつけた人が登場し、私たちは貧困撲滅の戦いをやめない!そのことをG8首脳に訴え続けよう!と語り、一度全員が会場に座り、その後私たちは貧困撲滅のために立ち上がる!という意味を込めてスタンドアップ!立ち上がろう!という声でみんなが立ち上がることもしました。その後ワールド・ビジョン・ドイツが製作したアフリカ、マリの子どものビデオが流れた後、このコンサートを企画したドイツのハバート・グロイネマイヤーさんが登場しました。彼はルワンダを訪問したことからアフリカ支援を訴え始め、このコンサートでもアフリカの現状を、とても詩的でかつ力強い声で歌い上げました。人間の可能性を信じ、それを賛美する歌を美しく、ゆったりと歌ってくれました。途中からボノも加わり、二人で歌う歌は何とも言えない、心穏やかにされるものでした。彼らはアフリカには大きな悲惨と苦悩があり、問題がやまずみだが、アフリカに希望を持ち続けようと語ります。会場全体がゆったりとした気分になり、みんな両手を広げて体をゆっくり左右にゆすりながら聞き入っていました。
G8首脳は2050年までの気候変動に関連する目標を大筋合意したそうですが、このコンサートに参加して感じたのは、各国の指導者だけでなく、市民一人一人が世界の問題に関心を持ち、必要なことを訴え続けることが大切だということでした。一人一人の力は小さくても、多くの人が集めれば大きな力になることをコンサートは教えてくれました。

電車の中で隣合わせたワールド・ビジョン・ドイツのオレンジバンドをした一家

電車の中で隣合わせたワールド・ビジョン・ドイツのオレンジバンドをした一家

コンサートの帰り道、電車の中で隣り合わせた一家が腕にワールド・ビジョン・ドイツのオレンジバンドをしているのを見つけました。ワールド・ビジョンの支援者で、シュワイツァーさんご一家です。ニュールンベルクにお住まいで、1泊2日(片道700キロ)でこのコンサートに来たそうです。子どもたちに世界の貧困の問題を教えるのに大変良い機会だから、というのが来た理由です。二人の子どもは、とても楽しいコンサートだったと話してくれました。シュワイツァーご一家の中に、家族を大事にし、かつ世界の問題を考えるドイツ市民社会の意識の高さと強さを見た思いがしました。

この記事を書いた人

片山信彦 理事長ワールド・ビジョン・ジャパン理事長
大学卒業後、三井住友海上火災保険株式会社(旧大正海上火災)入社。1982年同社を退職し、キリスト者学生会(KGK)の関東地区主事となる。海外との文化交流事業、日本人学生の海外派遣事業、在日留学生の支援事業等も行う。フィリピンにおける2カ月間の研修および中国、タイ、インド、インドネシア等の視察を行う。
1992年同会を退会し、特定非営利活動法人ワールド・ビジョン・ジャパン入団、2000年から2017年まで事務局長。2017年4月から常務執行役員、常務理事などを歴任。2023年10月より現職。
その他の役職: 社会福祉法人キングス・ガーデン東京 理事長
公益財団法人国際開発救援財団 理事
福音主義医療関係者協議会 顧問
1999年イギリス マンチェスター大学大学院IDPMにて「社会開発」と「NGOマネージメント」を学ぶ。
2020年 立教大学大学院キリスト教学研究科修了(神学修士)
共著:「連続講義 国際協力NGO」(日本評論社)、「国際NGO が世界を変える」(東信堂)
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