【スタッフ・ブログ】国際NGO ワールド・ビジョン・ジャパン

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バンコクに閉じ込められて思ったこと

筆者とバングラの女性たち (本文の女性グループとは関係ありません)

筆者とバングラの女性たち
(本文の女性グループとは関係ありません)

このブログはバンコクのホテルで書いています。そう、皆さんもニュース等でお聞きになっている、バンコクでの反政府団体による空港占拠によって、多くの日本人が帰国できなった出来事で、私もその被害者の一人となったわけです。
やっと今日(12月4日)の便で帰れそうです・・・。結局予定より5日半遅れとなりました。

待っている間は、バンコクにあるワールド・ビジョン・タイの事務所で仕事をさせてもらったり、ホテルにはネット環境があるので、メールなどで仕事はできています。その合間に予約便の再予約をするために航空会社に連絡したり、電話がぜんぜん通じないので直接航空会社の本社に行ったりしましたが、本当に時間がかかる毎日で、日頃インターネットなどで便利に手続きができているのとはえらい違いです。
今朝も、午前11時出発の便なのにホテルを朝3時に出なければならず、かつチェックインは手作業の確認らしいのでオーバーブッキングなどで積み残しの人もいるとか・・・。無事乗れるのでしょうか?

こうしているうちに思い出したのが、バングラデシュでグループを作って貯金やローンの貸し出しの活動するために、グループの口座を開こうとしたときのことです。たくさんの関係する役所の窓口を回りました。ある事務所では承認をする担当責任の役人がいないため、ずーっと待たされているその女性グループの代表者たちのことが思い出されます。
結局、その日はその役人が来ないため、「また明日来なさい」と告げられ帰ってきました。
また明日、彼女たちにとって決して安くないバスなどの運賃を使って、ここに来なきゃいけないんだよな。
そして、またその役人がいなかったとしたら・・・。役人がいる保証はどこにもありません!!
また、事前に確認するすべもありません。今でこそ、バングラデシュでも携帯電話網が発達し大抵の場所は携帯で連絡をとれますが、たとえ彼女たちが約束をとれたとしても、その担当役人が必ず待っているという保証はないのです。

私も自分の帰国便の席がとれるまでは、彼女たちと同じように、ひたすら航空会社に連絡をとり、席が取れるかどうかを聞くだけの弱い立場にいました。但し、航空会社の職員はお客には丁寧な対応をしますし、待っている間にはコーヒーや水を出してくれました。

そして、私のこの経験は日本へ帰ってしまえば、一旦は終了するのです。しかし、バングラデシュのあの女性たちはまた同じような経験を何度もしているに違いありません。たくさんのNGOや政府系援助機関が実施する開発援助プロジェクトなどの成果で、女性の地位は向上してきているとはいえ、女性や子ども、障害者といった、いわゆる社会の弱者は、未だに毎日、日本では考えられない苦労をしているのです。そして、このようなことは、バングラデシュの社会では当たり前のことだと思われていることも少なくないと思います。

少しでも彼らの声を代弁したい、社会を変えて行きたい、そのような思いを持って、世界中のワールド・ビジョンのスタッフは毎日働いています。そんなことを思わされたバンコクでの予期しない滞在でした。

この記事を書いた人

今西浩明
今西浩明支援事業部 部長
1983年大阪府立大学農学部農芸化学科卒業後、総合化学メーカーの日産化学工業株式会社の農薬部門で6年間勤務。同社を退職後、1989年11月より3年1カ月間、国際協力事業団(JICA)青年海外協力隊員としてバングラデシュへ派遣され稲作を中心とした農業・農村開発の活動を行う。その後、青年海外協力隊調整員として3年6カ月ネパールに滞在、次いで青年海外協力隊シニア隊員として再度バングラデシュに派遣されモデル農村開発プロジェクト・協力隊グループ派遣のリーダーとして2年3カ月間、農村開発の業務に携わる。
2000年9月より米国フラー神学大学院世界宣教学部(Fuller Theological Seminary, School of World Mission)へ留学、異文化研究学修士(MA in Intercultural Studies)を取得。ワールド・ビジョン・インディアのタミールナドゥ州パラニ地域開発プログラム(Palani Area Development Program) での4カ月間のインターンシップをはさんで、2003年9月より英国サセックス大学大学院に留学、農村開発学修士号を取得する。
2004年12月国際協力機構(JICA)アフガニスタン事務所企画調査員として8カ月間カブール市に滞在。2005年9月よりワールド・ビジョン・ジャパンに入団し、支援事業部 部長として勤務している。
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